4-2 配置計画の比較について

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(1)南側敷地の配置計画の比較
 ・区は、設置基準の校庭面積の確保、小学校校舎の必要面積確保、小規模多機能型居宅介護施設の送迎車と子どもたちの動線分けに配慮し、南側敷地には小学校校舎及び小規模多機能型居宅介護施設を配置し、北側敷地には小学校校庭及びプール、幼稚園並びに放課GO→クラブあかばねを配置することを決定しました。
 ・南側敷地のうち旧都有地は、小学校用地として活用する土地売買契約時の条件があるため、小規模多機能型居宅介護施設は、旧国有地内に配置します。
 ・また、子どもたちの交通安全に配慮し、小規模多機能型居宅介護施設送迎車の出入口と、小学校正門を離した計画として、以下の3案について比較検討しました。
 
A案:小学校校舎整形、小規模多機能型居宅介護施設西向き、別棟配置
B案:小学校校舎L型、小規模多機能型居宅介護施設南向き、別棟配置
C案:小学校校舎L型(1階2階)、施設間交流が容易な複合施設
 
 上記3案のうち、以下の検討からA案とします。
 
 ・安全性について、A案は、B案とC案に比べ小学校校舎が整形であるため、校舎の廊下を直線で計画しやすく、廊下からの視認性が高まり、より安全な平面計画が可能です。また、別棟案は、敷地の出入りについて、それぞれの施設関係者のみを管理できることから管理運営が行いやすく、運営時間の異なる施設として、非常時の施設責任者が明確で安全性が確保できます。
 ・教育活動、交流、連携について、学校の教室や小規模多機能型居宅介護施設の宿泊施設部分は、通風採光を十分に確保することが重要です。B案とC案は、校舎の形が不整形になる入角部分で、通風採光のとれないスペースが生まれます。それに対し、A案は、整形となり、教室を南側に最大限有効に配置することができます。
また、交流連携については、3案とも近接した位置関係となるため優劣は同等になります。
 ・スケジュールについて、A案とB案は、小規模多機能型居宅介護施設が別棟であることから、単独で整備し、早期に開設することが可能です。
 ・コストについて、C案のような複合施設は一般的に、管理スペースや共用スペースの集約化及び維持管理の一元化により、建設費や維持管理費を抑えることができますが、今回の計画では小学校と小規模多機能型居宅介護施設それぞれに独立した動線が必要であり、また、運営が別となるため、それらの効果が見込みにくくなり、3案のコスト比較はほぼ同等になります。

南側敷地 配置比較表

 
(2)北側敷地の配置計画の比較
 ・区は、設置基準の校庭面積の確保、小学校校舎の必要面積確保、小規模多機能型居宅介護施設の送迎車と子どもたちの動線分けに配慮し、南側敷地には小学校校舎及び小規模多機能型居宅介護施設を配置し、北側敷地には小学校校庭及びプール、幼稚園並びに放課GO→クラブあかばねを配置することを決定しました。
 ・既存小学校、幼稚園敷地である北側敷地は、地形、猫塚、自然環境をできる限り保存し、広い校庭を確保するため、校庭は敷地西側に配置します。
 ・また、地形的特色である敷地東側の地盤が低い部分は、上部に建物を載せたピロティ状にすることで、幼稚園の雨天時の遊び場や、夏季の日影づくりに活用する計画として、以下の2案について比較検討しました。
 
A案:建物北側配置、整形プラン
B案:建物南側配置、L型プラン
 
 上記2案のうち、以下の検討からB案とします。
 
・安全性について、A案は、B案に比べ道路から敷地全体の視認性に優れます。
B案は、A案に比べ小学校校舎と幼稚園園舎の距離が近く、女性の多い職場である幼稚園として非常時の対応について安心感があります。
・教育活動、交流、連携について、A案は園庭に段差があり2つに分かれてしまいますが、B案はフラットでまとまった広い園庭が確保でき、園児が安心して、のびのびと遊ぶことができます。また、小学校校舎と幼稚園園舎が近いため、幼小の連携が行いやすく、児童の小学校校舎から屋上プールへの移動負担が少なくすみます。
・コストについて、A案、B案はほぼ同等です。

北側敷地 配置比較表