敷地の法規制や敷地利用を踏まえ、以下のように、既存樹木や現在の地形を保存しながら、2敷地に分かれる小学校と幼稚園の連携が図りやすく、必要な建築ボリュームを確保できる建物配置とします。
※平面計画はP41、断面計画はP42に掲載しています。
1)小学校、幼稚園の連携
・校舎と園舎は出来る限り近づけて配置し、施設間の動線を短くし、児童と園児、職員同士の交流がしやすい環境とします。
・北側敷地の路地状部分は、小学校の理科の観察に活用するなど、幼稚園の園児が小学校の授業の様子も感じられるよう計画します。
・小学校にはピロティを設置し、小規模多機能型居宅介護施設との連携・交流が図りやすい計画とします。
2)安全性
・校庭と園庭は明確に区画し、安全性に配慮します。
・校舎と園舎から前面道路までの動線を短くし、避難しやすい配置とします。
・道路上空通路を小学校昇降口に近接して設置し、児童が校舎と校庭を安全に往来できるように計画します。
・北側敷地は、メンテナンス車両や緊急車両が校庭へ至る車両通路を設けます。南側敷地は、1階のピロティを利用して、敷地内で校舎に寄りつけるようにします。
3)快適性
・南面に普通教室を配置し、自然採光が得られるようにします。
・階段室の重力換気等を活用し、自然通風が得られるようにします。
4)アプローチ
・アプローチは、前面道路及び校舎と園舎から見通しが良い、明るい環境とします。
・児童の通学を考慮し、小学校の給食搬入用の車両出入口は、正門とは別に設けます。
・アリーナには、地域の方が使いやすいアプローチを、正門とは別に設けます。
・幼稚園保護者のお迎えのための溜まりのスペースを考慮します。
5)近隣への影響
・南側敷地周辺の住宅への視線及び音に配慮し、住宅側には防音対策等を計画します。
・北側敷地北側の病院や三田高校との視線及び音に配慮した計画とします。
6)歴史の保存・継承
・既存の樹木の状況を踏まえて、できる限り樹木の保存や移設を行い、建物内外から自然を感じられる配置とします。
・現在の地形であるくぼちを活かして、園庭を設けます。
・埋蔵文化財包蔵地に指定されている猫塚(オセンチ山)は、現状のまま保存することとし、塚を活かした借景づくりを行います。

■北側敷地 歴史の保存・継承の考え方
※猫塚は猫塚を囲む縁石の範囲を保存し、縁石の周辺は試掘を行い、埋蔵文化財がないことを確認した上で工事を行います。