5-4 内外装計画等

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(1)内装計画
 ・日常清掃等、維持管理、メンテナンスが行いやすい仕上げとします。
 ・活動に適した音響(吸音)性能を確保できる計画とします。
 ・転倒時の安全性を確保できる耐衝撃性能を有する床仕上げとします。
 ・水を使う部屋はノンスリップ機能のある仕上げとします。
 ・階段は、既存校舎の階段幅より広さを確保し、安全で適切な計画とします。
 ・自然材料を積極的に使用し、温かみのある空間づくりを行います。
 ・木質化を行い、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度を取得します。
 ・学習、保育環境の雰囲気作りを支える掲示や展示が十分に行えるように、壁面一面を利用した掲示板を設置するなど、掲示面や展示スペースを充実させます。
 ・コンピュータ等の配線の多い部屋は、フリーアクセスフロアとします。
 ・子どもたちの持ち物が効率的に整理収納できる収納棚を設けます。
 ・学校生活の拠点となる普通教室、出会い、交流の場となる廊下は、生活空間として、木質化や展示棚、掲示板を設け、豊かな空間とします。
 ・トイレは、スムーズに出入りできるようにドアレスとし、廊下と空間的連続性を確保します。採光、換気に配慮し、掃除しやすい洋式トイレとすることで、明るく清潔な空間を作ります。
 ・ライフサイクルコストの縮減を踏まえ、合理的な計画による、光熱水費、清掃費、設備管理費、修繕・更新費の節減に努めます。
 ・構造体を保持し、内装の可変性、融通性をもたせたスケルトンインフィルにより長寿命化を図ります。また、経年による設備更新の容易さを確保します。
 ・地下の湿気対策として、地階部分は、地下躯体のコンクリート表面に結露防止塗料を塗布し、地下2重壁の内壁側の断熱性能を高めます。
 
(2)外装計画
 ・周辺環境との調和をはかります。
 ・維持管理が容易かつ低コストで行えるように配慮します。
 ・漏水等が起こりにくいように十分配慮した防水、止水対策を行います。
 ・窓面の隅の雨垂れやパラペット上部の雨垂れ、通気口まわりの汚れ等が起こりにくいディテールに配慮するとともに、汚れが目立たない仕上げとします。
 ・自敷地と隣地双方に配慮して、窓ガラスは、ペアガラス等の防音仕様とします。
 
(3)景観計画・外部空間の基本的な考え方
 1)基本的な考え方
 ・本計画地は、文教地区に位置し、周辺は落ち着きある景観を形成しています。敷地周辺には文化財建造物に指定された「慶應義塾三田演説館」や「慶應義塾図書館」が立地し、周辺と調和した、まとまりのある景観をつくります。
 ・計画地は、港区景観計画(平成27年12月)において、〈一般〉、〈坂道沿い〉、〈閑静な住宅地〉、〈斜面緑地〉に該当し、以下それぞれでの行為に適用する景観形成基準となっており、下記基準を踏まえた景観形成を行います。
 

 

 2)景観計画
①街並みとの調和
 ・「緑の拠点」として、閑静な住宅地である敷地周辺と調和し、より豊かな景観をつくっていくよう、外周部には緑地を確保し、地域から敷地内の緑が見えるように計画します。
 ・周辺の歴史的建造物や、在日イタリア大使館と調和し、かつ坂道の勾配になじむように建築物の低層部を工夫した形態・意匠とします。
 ・北側敷地のアプローチは既存の緑を継承した並木をつくります。

在日イタリア大使館


港区赤羽小学校の並木道

②地域環境への配慮
 ・北側敷地の高低差のある豊かな自然、むくの木、猫塚など、地域の人々にとって思い入れの深い歴史や伝統を受け継ぐ計画とします。
 ・外部空間にも木を極力使用し、地域の景観に馴染む計画とします。

北側敷地の豊かな自然


木の外部空間利用イメージ

③安全性への配慮、地域防災への貢献
 ・豊かな緑に囲まれた環境としながらも、敷地内や建物内、及び外部からの見通しが確保できるように計画します。
 
 3)外部空間
①校庭、屋上校庭、小学校遊び場
〈規模〉
 ・校庭は、児童がのびのびと運動ができる広さを確保します(約3,000m2程度)。さらに、小学校校舎に、屋上校庭(約1,100m2程度)も設けます。
〈用途〉
 ・体育の授業や日常の遊び場、部活動、運動会、地域開放などの利用に対応します。
 ・校庭の広さを最大限活かしたトラックを設けます。
 ・屋外倉庫、水飲み場、屋外トイレ等を計画します。        
 ・校庭(路地状部分等)に理科の授業等に活用できる花壇を設けるなどして、小学校の児童の活動が園児にも見えるような工夫を検討します。
 ・校庭の舗装については、飛砂が少なく、体育授業や部活動などへの適応がよい人工芝で計画します。
 ・校庭と園庭は明確に区画し、お互いの活動に影響がないように配慮します。
〈近隣配慮〉
 ・近隣へ配慮して、屋外の運動スペースは、防音対策を計画します。
 
②園庭
〈規模・用途〉
 ・園児がのびのびと運動ができる広さを確保した2つの園庭を設けます(約100m2程度と約700m2程度)。
 ・雨の日でも運動ができるピロティを、園庭に隣接して設けます(約400m2程度)。
 ・地形を活かして、ビオトープ等を計画します。
〈仕様〉
 ・舗装は土舗装とします。
 ・園庭と校庭の境には、フェンスを設け、安全性に配慮します。
 ・遊具の設置にあたっては、国土交通省「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」に基づき、安全距離を確保します。