5-5 構造計画

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(1)基本方針
 ・児童の日常的な安全安心を確保すること、また震災時の避難所としての役割を担うため、安全性を合理的に追求すると同時に、敷地条件、地盤条件に留意した構造計画を行い、経済性、かつ耐久性に優れた建物を計画します。
 ・運営方針の変化や児童・園児数の変化に柔軟に対応できるように、整形で均等なスパン割りとし、柔軟性、融通性を確保します。
 ・基本的なモジュールを統一し、改修に対応しやすいようにします。
 ・階段室やトイレの横など、将来にわたり、間仕切り変更がない部分に耐力壁をバランス良く配置し、地震力を負担させた合理的なフレームとします。
 
(2)要求性能
 ・計画建物の耐震安全性の区分は、「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」による耐震安全性の分類に準拠して設定します。
 ・小学校新設校舎、幼稚園新設園舎は不特定多数の者が利用する公共施設に該当するため、耐震安全性の目標は、構造体Ⅱ類、建築非構造部材A類として設計します。

 

(3)構造種別の考え方
 1)小学校新設校舎
 ・構造種別は、耐久性が高く、振動にも強い、かつ地震時の変形が小さいRC造を基本とします。均等スパンで、過度な過重が集中しない、バランスの良い架構フレームで構成します。耐力壁をバランス良く配置することで、フレキシビリティも確保できます。
 ・地階はアリーナの大空間があるため、大スパンに対応できるPC梁で計画します。この梁は上階の柱を受けるため、梁せいを十分確保(約2m)します。アリーナの活動に支障のないように、階高は地下の2層で約10mを確保しています。
 
 2)幼稚園新設園舎等
 ・高低差のある地形で、建物が土圧を受けるため、構造種別は、剛性の高いRC造を基本とします。経済性に配慮して、合理的な柱スパンで構成します。
 ・屋上にプールを設けるため、大きな荷重を支えるため、長スパンにならない計画とし、梁せいを十分確保します。そのため3階の階高を高くして計画します。
 
(4)施工上の留意事項
 ・南側敷地は、敷地が狭いため、1次掘削・2次掘削時に、構台を設置し、重機搬入路・資材置き場スペースの確保します。また、高低差のある敷地であり、搬入動線を確保するため、接道条件の良い北側道路を主たる搬入路とします。
 ・敷地が住宅に囲まれているため、施工中は防音パネル等による騒音・粉塵対策を行います。