公立幼稚園設置反対陳情

   昭和三十九年第十回臨時会
第三協議事項
   公立幼稚園設置に関する考慮方陳情について
港区私立幼稚園連合会長(明徳幼稚園長)笠原秀定から区立幼稚園の設置について区内私立幼稚園三十園の総意として別紙七項目にわたつて反対の陳情があつた旨学務課長から説明し、以上「2・6・8」の陳情は、この中に含まれるので一括審議することになり、各委員から種々意見が述べられた。
第一項目の三光、青山幼稚園の新設について私立幼稚園側に何等の通知もなかつたという意見については事前に十分話し合いを行なつている。
第二項目の文部省通達にある適正配置とは公私立相互の間にも配慮すべきであるという意見については当然であり、委員会の方針としてもそのように考慮している。
第三項目の港区内における、公私立幼稚園教育研究協議会を設け、幼稚園の適正配置等について審議するよう配慮されたいという意見については将来幼稚園設置の計画を立てる時に検討したい。
第四項目三光小学校に幼稚園設置反対
第五項目青山小学校に幼稚園設置反対
いづれも隣接の私立幼稚園に多大の影響を与え存立をおびやかすものであるという意見については、青山三光の二園設置は、隣接私立幼稚園の事情等を充分検討したうえ委員会で決定されたので既定方針どおり実施する。
第六項目神明小学校並びに氷川小学校に幼稚園新設が保留になつたという点については、現在のところ至急建設の予定はないが将来設置の必要を生じた場合は、陳情6及び8について十分調査検討したい。
第七項目公立幼稚園は一年保育を対象とし、三、四才児については私立に一任されたい。また園児募集時期は私立幼稚園の募集後とされたい。との意見については、教育長に一任する。
以上のように、審議決定した。

(『港区教育委員会会議録』昭三九)


 
【付記】資料中に「2・6・8」の陳情とあるが、2は、区立青山小学校に幼稚園併設に対する反対陳情、6は、区立神明小学校に幼稚園設置に関する反対陳情、8は、区立氷川小学校に幼稚園設置に関する反対陳情である。