幼稚園入園児募集定員削減

  昭和五十三年第十一回定例会
協議事項
1 港区における幼稚園教育について
 五十四年度の区立幼稚園の園児募集については、願書配布が十二月十四日、十五日、願書受付は一月十日から十二日まで、抽選、健康診断は一月十八日、入園決定者発表を一月二十四日とし、これらについては十二月一日号、同十一日号の「公報みなと」に掲載する予定である。これまでの定数改善計画により審議会に諮ったうえ、五十二年度、五十三年度と、これまでに二名ずつ削減してきた。五十四年度については、審議会の私立幼稚園側委員と話し合うよう審議会からもとめられている。事務局では別表のとおり定数設定案を作成した。試案によると、一名減では現定員一、三一四名が一、二八五名となり推定倍率は〇・九七となる。二名減では一二五六名となり推定倍率は〇・九九となる。御田地区については、応募率の高い南海、三光の幼稚園について、同地区に公立幼稚園が設置されていないことを考慮し、暫定措置として定員は据え置くこととした。一方、私立幼稚園では十一月一日から園児募集をしているが、十一月十三日に行なった審議会の私立幼稚園側委員との話し合いの中で、私立側より、応募状況は五十三年度より更に悪化し、あけぼの幼稚園等の具体例も報告され、私立幼稚園側では事態を深刻にうけとめている。また私立幼稚園側からは、保育に耐え得る心身障害児、低所得世帯の幼児の公立優先入園の実施、公立幼稚園園児定数の削減、並びに補欠登録有効期間の短縮(当該年の三月三十一日まで)等の具体的な要望が出された。以上、学務課長が説明した。
募集定数については、決定権は教育委員会にあるが、児童数も減少してきている現状と、改善計画により最終的には三十名を目標とすることが決められている過去の経緯があり、審議会の私立幼稚園側委員と更に話し合った方がよいだろう。低所得世帯の幼児の公立幼稚園優先入園については、高輪幼稚園新設の際実施したが後日に種々問題を残しており、所得の実態を客観的につかむことが困難な点、また低所得世帯というレッテルをはってしまうことにもつながり、教育上好ましからぬ影響を及ぼすことが懸念される。障害児の入園については、心身障害児教育検討委員会でも審議されており、五十五年度以降組織的な対応の具体化が示されることとなろう。
以上、種々協議の結果、五十四年度の私立幼稚園の応募状況等について更に調査し、区の定数案についても私立幼稚園側と話し合いを深めた上で、募集定員に決めることとなり、本日は継続審議とすることとなった。

(『港区教育委員会会議録』昭五三)