(2)論点整理

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注:幼稚園教育の振興策については、主として、私立幼稚園に対する振興策についての論議が行われた。
 
 私立幼稚園の教育は、公教育の一環として位置づけられています。
 私立幼稚園に対する公費負担と区立幼稚園に対する公費負担との間には、大きな格差があり、その是正を求める意見が強く出されました。
 区立幼稚園の園児一人当たりの経費は、具体的計画を立て、合理的水準に引き下げる努力が必要です。
 一方、私立幼稚園の保護者に対する助成については、公私格差の2分の1以上を助成する旨の港区公私立幼稚園調整審議会答申による約束が果たされておらず、現時点では、残念ながら、私立幼稚園に対する具体的な振興策は何も示されていません。
 私立幼稚園の振興策は、東京都及び港区が共に重要な役割をもつものです。また現在、検討されている地方分権の推進も、住民生活に直接関係ある事務は、住民に身近な自治体において行うことを基本としています。
 このような趣旨から、住民生活に密接な関係のある私立幼稚園の振興に関する事務における港区の役割は、非常に重要なものです。港区は、東京都とともに、私立幼稚園の振興策について、積極的な施策が求められます。
 港区は、財政構造改革指針において「事務事業の抜本的見直し」を掲げ、その方策として、民間活力との役割分担の見直しを挙げていますが、現在の区立幼稚園の運営等についても検討をする必要がある、との意見が私立幼稚園側がら述べられました。
 一方、行政からは、私立幼稚園に対する振興策は、基本的には主として東京都が担っていると認識しており、地域で公私立幼稚園の共存・共栄を図るため、財政状況を考慮する中で、公私格差是正を観点に、保護者負担軽減補助を実施していることが述べられました。
 今後の施策については、保護者負担の公平性の観点から、所得制限等の導入を検討し、その際は、低所得者層への傾斜配分と共に、私立幼稚園や保護者への何らかの支援策を検討する必要があると考えています。さらに、新たな振興策については、区立幼稚園での3年保育の実施と一体で考えていることが述べられました。
 また、区立幼稚園側からは、公私立幼稚園の保育料の格差は、経済的に恵まれない保護者にとって、選択肢の一つであるとの意見が述べられました。
 さらに、3年保育の内容・方法、及びその他の課題について検討をするために、公私立幼稚園共通の場を設置する必要があるのではないか、との意見が述べられました。