少子化、核家族化及び地域や家庭の教育力低下等の社会環境や家庭環境の変化は、子供の育ちに大きな影響を及ぼしています。このような観点から、幼稚園における3年保育の必要性は、検討委員会においても共通した認識となっています。
区立幼稚園の増設により、多くの私立幼稚園が廃園に追い込まれた過去の歴史、及び公私立幼稚園調整審議会における論議等の経緯を尊重する必要があります。港区では、幼児人口の総数を大きく上回る定員が用意されている上に、3歳児人口自体が減少している現状等から、新たな公費負担によって、区立幼稚園で3年保育を実施する合理性はまったく存在しないという主張が、私立幼稚園側から強く述べられました。
また、区立幼稚園の3年保育を実施するというのであれば、公費のあまりにも過大な投入を是正し、区立幼稚園の適切な配置や、幼児数に見合った定員枠の設定及び保育料などの一定程度の格差是正の条件整備が前提であるとの意見が述べられました。
一方、区立幼稚園側からは、区立幼稚園で子供の教育を受けさせたいと願い、幼児が4歳になるまで待つ保護者も存在し、幼児の健全な発達のために、区立幼稚園での3年保育の実施が、区立幼稚園の保護者等の長年の要望となっていることが述べられました。
さらに、幼稚園を選ぶ際、より多くの選択肢を用意することは、社会的状況や教育的見地から望ましく、区立幼稚園での3年保育の実施を望む強い意見が述べられました。