3 おわりに

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 限られた時間の中で、幼児数の減少や幼児教育環境の変化等の社会的状況及び公私格差を含んだ幼稚園問題の解決策に関して、合意を得ることは、至極、困難なことでありました。しかし、港区の公私立幼稚園関係者が一同に会して、幼稚園教育について検討する機会がもてたことは、港区の子供たちの豊かな成長を考えるうえで、大変、意義深いものでした。その中で、「区立幼稚園の適正規模・適正配置について」の諮問事項につき、意見の一致が得られ、中間答申を出したことは、大きな成果であると確信しています。
 21世紀を担う港区の子供たちが、生涯にわたり豊かな人間性と強い意志をもって生きていくことのできる力の基礎を培うため、私たちは、子供の育ちについて考え、また、豊かな教育環境を整備したいという、同じ思いで情熱を傾けて論議してまいりました。
 3年保育を含めた幼稚園教育の在り方について話し合う過程で、家庭や地域で、これまでのように子育てを行っていくことが、極めて困難になっている状況が浮かびあがりました。0歳から2歳までの子供たちに、心身共に健やかな育ちを保障していく必要性や家庭教育への支援の在り方等、乳幼児全体へと視野を広げて考える機会ともなりました。
 子供を豊かに育てるためには、教師の資質の向上が何よりも重要であることも共通認識され、公私立幼稚園が交流し、連携して研修を深め、共に協力し発展していきたいという建設的な提案もなされました。
 これらを含めて様々な論議を行い、その中で論点整理し、報告書をまとめました。
 今後、公私立幼稚園の歴史的経緯に配慮し、共存・共栄を前提として公私立幼稚園がそれぞれの特性を生かし、さらに充実・発展することを期待します。