(2)家庭と連携した質の高い「幼児期の教育」の実現

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 港区の子どもは、何にでも興味・関心を示すなど好奇心旺盛であり、自分を発揮し表現するというよさが見られます。一方で、全国的な傾向が港区でも見られ、自然体験の不足や人とかかわる経験の不足、体を動かす経験の不足などの課題もあります。また、保育園、幼稚園、小学校の教育・保育の現場からは「すぐに『疲れた』と言う」「必要なときに必要なことが言えない」「もうひと踏ん張りしてほしいというときにあきらめやすい」など、遊びや生活の中で気になる姿も報告されています。
 これらの課題を解決するためには、保育士や教員は、幼稚園教育要領・保育所保育指針の趣旨を踏まえ、幼児期に経験しておくことや身に付けるべきことを見落とさないように意図的・計画的に保育を構成することが大切です。しかし、それは、大人の一方的な教え込みや早期教育を行うものではありません。「幼児期にふさわしい生活」が展開されるよう、園生活の主体である幼児自らが発見したり、考えたりしながら、「遊び」や「生活」をつくり出していけるようにすること、つまり「幼児にとって」の視点が何より重要なのです。単に自由に遊ばせているという意味とは異なるのです。そこで、家庭に対して「幼児期の学び」が誤解されないよう、幼児期の遊びと学びの関係をしっかりと丁寧に発信し、理解を図ることが必要です。
 港区の質の高い「幼児期の教育」の実現に向けて、保育士や教員が自らの専門性を高め、家庭と連携を図りながら、接続期(※5歳児後期から小学校1年生1学期)の遊びや生活を見直し、教育課程や保育課程、年間指導計画等と合わせて、「小学校入学前教育カリキュラム」を効果的に活用できるようにと考えています。