(1)就学までの準備【保育園・幼稚園が行うこと】

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①幼児を支援する
 当該幼児の支援にあたっては、教員や保育士が幼児の特性を知った上で環境の構成や支援の内容について理解をするとともに園全体で共有し、当該幼児が学級の中で、友達と気持ちよく過ごせるようにすることが大切です。
 就学の時期は、一人ひとりの発達をとらえ直す意味でも重要な時期です。問題点ばかりが気になってしまいがちですが、よい部分、得意な部分を増やしていくことが大切です。苦手なこと、してほしくないこと、有効な手だては何かなどを把握した上で、当該幼児の自信や意欲につながるよう、定期的に支援の内容を見直し、支援を固定化しないことも必要です。
 また、友達と一緒に考えたり協力したりする遊びを計画的に取り入れ、自分の気持ちに折り合いをつけたり、友達のよさに気付いたりできるようにし、幼児同士が互いに認め合い、どの幼児にとっても楽しい園生活となるような学級経営をすることが大切です。
 
②保護者を支援する
 特別な配慮を必要とする幼児の保護者と信頼関係を築いていくために、綿密な連携をとることが大変重要です。特に、子育ての悩みや不安、焦りなど、しっかりと受け止め、保護者の気持ちをよく聞き、共に子どもの成長を支えていくという姿勢を示していくことが大切です。
 就学支援シート(P62参照)は、5歳児に在籍する保護者全員に配付されるものです。就学支援シートの意図の理解を促すために、配付の際は、保護者会等を通して丁寧に説明することが必要です。
 また、保護者が、就学先の小学校を決定するまでには、保育園・幼稚園は慎重な検討と対応が求められます。通常の学級か特別支援学級(学校)かという視点ではなく、当該幼児にとってどのような支援が必要なのかといった視点で、必要かつ効果的な支援と配慮が可能な教育環境を見付けられるよう、幼児の自立に向けて保護者の決定を支援していくことが大切です。
 
③関係機関と連携する
 当該幼児が、すでに医療機関や療育機関を利用している場合もあります。関係諸機関と連携を図り、情報を共有することで、効果的に支援を進めていくことが可能となります。小学校への引継ぎの際には、就学支援シートの作成に活用できます。