一 TT(注・ティームティーチング)の基本的な考え方
個に応じた多様な教育を推進するために、複数の教員が協力して、一斉指導の他に、個別指導・グループ
指導を取り入れたり、学級の枠を越えて学習集団を弾力的に編成するなど、新しい学習方法を研究・実践し
ていく。
二 TT推進の研究・実践学年及び対象教科・領域
TT推進の研究・実践学年は第三学年とし、研究・実践の対象教科・領域は、算数・理科・体育を中心とし
て研究・実践を進める。
三 TT推進の研究・実践の内容
○指導計画・学習指導案の作成、教材教具の収集・開発、評価の活動などを協力して行う。
教材研究 ○指導計画・学習指導案の作成、教材教具の収集開発)
↓
学習過程 ①習熟度に応じた個別指導の推進をする。
②興味関心等を生かした学習課題を設定し、個別指導の推進をする。
↓ ③観察・実験・野外活動などの体験的な学習において、授業の過程で弾力的な学習集団を編成
し、指導・援助をする。
評価活動 ○担任が中心になって評価する。TT主任は、担任の評価が適切に行われるために評価資料を提
供し、資料をもとに合議し評価する。
四 TT推進の指導時間
TT主任の持ち時間
三学級 × 八時間 = 二四時間
内訳(算数…三時間、理科…二時間、体育…二時間、調整…一時間)
五 TT推進の指導方式
(1) 指導方式(上図)
(2) 現在までの推進状況
① 一学期・四月は、Tが中心になって、TLはその補助を行った。これは、T・TLがTTの方式になれることを
中心にしたからである。
このことにより、担任教師やTL教師、児童もTT方式になれてきている。そのため、学習時間中の質問な
どにも十分に対応できるようになってきている。
また、児童も気軽にTLに対して接するようになり、TLの指示なども受け入れることができるようになっ
た。
② 一学期・五月は、補助指導が中心ではあったが、徐々に個別指導を分担して行うようにした。
こうすることで、より密接に児童との関係を作ることが出きるようになってきた。さらに、Tが児童の
理解を深めることもできた。そのため、Tが説明などをしている時でもその理解の手助けをしたり、理解
が困難な子に対していち早く対応できるようになってきている。中には、そんな手助けを期待しTLに対し
て救助信号を出す子も現れてきた。
③ 一学期・五月以降は、単元や学習内容によって、TLが中心になりTが補助者となったり、グループを分
担して指導するなどの指導方法も試みた。
TLが中心になって行う指導方法は、特にコンピュータを使った学習や算数の学習で実施した。指導方法
の違いにやや戸惑いも見られたが。徐々にその困難も克服してきた。その結果、Tが児童に対する理解が
より深まり、TLも学級全体の児童集団の理解を深めることが出来た。
また、T及びTLの持つ特技・特徴を生かした指導ができ、TTを採用していないときに比べて、多様な学
習活動が可能になった。
④ 水泳指導や運動会の練習では学級の枠を取り払った、三学級に対して四人が指導する方法を試みた。教
師の分担をはっきりさせ、中心の指導者以外は補助者あるいは個別指導者として、指導に当たった。この
方式でも、個別指導が十分に行えるため、個別指導を必要とする児童に対して十分に対応することが出来
た。また、学年全体が同一歩調で指導するため、学級差による混乱はなかった。
(3) 今後の計画
今後は
① 単元の学習過程のどこで、学級の枠をはずした指導方法を、教科指導の時間にどのように取り入れるこ
とが、個に応ずる効果的な指導となるか。
② TLが主たる指導者として指導した場合、他にどのような効果があるか。
③ コース別の学習指導方法を行う場合、具体的にはどのような手順で、どのような分担で行えるか。
などを検討して行きたい。
(本村小学校資料 平六)
実施計画の概要 |
(1) 加配教員の希望数及び必要性 | 1)加配希望数 一人 |
2)必要性 ・研究の継続 平成三年度より協力的指導をテーマに研究実践を継続して いる。 ・オープンスペースの活用 各教室にオープンスペースが設置され子どもの活動が主体的に行える構造 を活かしたい。そのためには個性を尊重したきめこまかな指導が重要であ る。 | |
(2) 個性化教育推進加配教員による成果 | 1)課題選択・追究することにより、一人一人の子どもが積極的に学習に取り組む ようになった。 2)主体的な活動を通して、話し合いや授業の取り組みに学び合う場面が見られる ようになった。 3)TTによって多面的な教師の児童理解がなされ、子どものよさが生かされるよ うになった。 4)実践を深めていく中で教師の持ち味や特性が生かされ、授業への創造力も発揮 されるようになった。 ※学習指導効率と共に子どもの願いや欲求を実現すべく教師の努力が見られる ようになっている。 |
(3) TT等を主として担当する教員の役割 | ・TT教師としての加配教員を特定しない。 ・三年生を担当し、学年主任として学年全体をまとめ、TTの積極的な取り組み を推進する。 |
(4) 実施体制(校務分掌等) | ・学年担任 三年生の学年主任として二クラスを担当しTTを推進する。 ・TT教師としての特定をせず校務分掌等も全体の一員として考える。 |
(5) 実施計画(教科、学年) | 教科名国語 学年 三 教科名理科 学年 三 教科名社会 学年 三 教科名体育 学年 三 教科名算数 学年 三 |
(6) 具体的な実施方法 | ・学年担任 教師の経験や研究分野を生かし週一(教科担当)○時間くらいをそれ ぞれの教科担当として教材研究を行いTTを推進する(音楽、図工、体育、 習字など) ・教師の協力 個人差を踏まえ子どもの自己実現を積極的に支援する協力的指導 体制を組む 生活指導・給食指導などきめ細かな指導を行うために、話し合いの時間を教師 は積極的に確保し支援体制がいつ・どこでも行えるようにする。 |
(7) 施設設備の活用計画及びオープン教室等、余裕教室等の保有状況 | 実施にあたっての活用計画 ・子どもの自己実現を支援するために、多場面多目的に使用できる環境づくり ・個人差に対応できる個別学習システム ・多目的に対応した課題追究学習の保障 |
(ア)オープン教室等 ある (イ)余裕教室 ある (ウ)多目的スペース ある (エ)その他 コンピュータルーム・ランチルーム | |
(8) 非常勤講師等の配置状況 | 非常勤講師、ボランティア等がいる場合の授業への関わり方等 ・心障学級に二名の非常勤講師がTTとして参加している。 ・嘱託員教諭一名、低学年生活科学習に積極的にTT教員として参加している。 |
(本村小学校資料 平七) |