平成26年10月29日策定
港区いじめ防止基本方針
港区(以下「区」という。)及び港区教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、いじめ防止対策推進法(以下「法」という。)、文部科学省が定めるいじめの防止等のための基本的な方針(以下「国の基本方針」という。)に基づき、「港区いじめ防止基本方針」(以下「区の基本方針」という。)を定めます。
いじめの定義(いじめ防止対策推進法より)
「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係のある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
1 基本理念
すべての子どもは、かけがえのない存在であり、社会の宝です。子どもにとって、いじめは、その健やかな成長への阻害要因となるだけでなく将来に向けた希望が失われるなど、深刻な影響を与えるという認識に立つ必要があります。区及び教育委員会は、以下の基本理念を掲げ、いじめの防止に取り組みます。
(1)いじめは人間の尊厳を傷つける重大な人権侵害であるとの認識に立ち、いじめ防止に取り組みます。
(2)いじめは全ての子どもに関する問題であり、いじめはどの集団にも、どの学校、どの子どもにも起こり得るとの認識に立ち、いじめの早期発見に努めます。
(3)子どもの生命及び心身を保護することが最重要であるとの認識に立ち、いじめを受けた子どもに寄り添うとともに、学校、家庭、地域、関係機関等と連携し、解決を図ります。
2 いじめ防止等の基本的な考え方
子どものいじめを防止するために、社会全体がいじめの起きない風土づくりに努める必要があります。また、いじめを察知した場合は適切に指導することが重要です。区全体で子どもの健やかな成長を支え、見守るため、いじめ防止及びいじめの解消に向けた取組を進めるにあたっての基本的な考え方を次の通り示します。
(1)いじめの未然防止
①区と教育委員会は、いじめ防止について、児童生徒が主体的に考える場を設定し、「いじめは絶対に許されない」ことを理解させるとともに、思いやりや助け合いの心、規範意識等を育て、望ましい人間関係を築けるよう区全体で育成を図ります。
②区と教育委員会は、いじめの根絶に向けた啓発を行うとともに、いじめ防止の取組の充実強化を図ります。
(2)いじめの早期発見
①区と教育委員会は、いじめに関する相談窓口を家庭や地域、児童生徒に明示し啓発するとともに、いじめに関する相談体制を充実させます。
②区と教育委員会及び学校は、いじめ問題に適切に対応できるようにするため、個々の教員のいじめ問題への鋭敏な感覚と的確な指導力を高めます。
(3)いじめの解決に向けた取組
区と教育委員会及び学校は、子どもの生命及び心身を保護することが最優先課題であるという認識に立ち、いじめを受けた子どもに寄り添うとともに、各学校の対応が適切に行われるよう支援し、家庭、地域、関係機関等との連携によっていじめを解決します。
(4)学校と家庭及び地域等との連携
①区と教育委員会及び学校は、家庭に対し、その保護する児童生徒がいじめを行うことのないよう、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう啓発を行います。
②区と教育委員会及び学校は、学校と家庭、地域が一体となって児童生徒を見守る取組を推進する必要があること、及びいじめの疑いがある場合には、関係機関に対して情報提供に努めることについて啓発を行います。
3 組織等の設置
区と教育委員会は、いじめ防止に関係する機関及び団体の連携を図るための協議会や5に掲げる重大事態が発生した場合の調査組織など必要な組織を設置し、各学校のいじめの未然防止、早期発見、早期解決に向けた取組を推進します。
4 学校における取組
学校は、法第13条に基づき、学校いじめ防止基本方針を策定するとともに、法第22条に基づき、学校におけるいじめの防止等の対策のための組織を設置し、校長のリーダーシップのもと、教職員が一致協力し、いじめ防止対策を推進します。また、学校は、重大事態が発生した場合、教育委員会を通じて、区長に報告します。
5 重大事態への対応
いじめにより児童生徒の生命や財産が脅かされる等の重大事態の発生を防ぐことが、何よりも重要ですが、万一重大事態が発生した場合には、区と教育委員会及び学校は、いじめを受けた児童生徒とその家族に寄り添うとともに、重大事態の原因等の究明及び解決に向けて取り組みます。
6 取組の評価・改善
区と教育委員会は、各学校のいじめ防止の取組が適切に行われるよう、いじめ防止の取組を定期的に評価・改善します。