区と教育委員会は、いじめは重大な人権侵害であるとの認識に立ち、学校の教育活動への支援を行うとともに、「いじめセーフティネットコミュニティ事業」を推進し、家庭、地域、関係機関等と連携し、いじめの未然防止に取り組みます。
(1)人権教育の推進
人権尊重の理念を広く社会に定着させ、あらゆる偏見や差別の解消を目指す人権教育を一層充実させるため、人権教育推進委員会※1で取り組むべき課題や指導の在り方を協議するとともに、人権尊重教育推進校を指定し研究を進め、その成果を各学校に普及させます。
(2)体験活動の充実
児童生徒の豊かな情操と道徳心を培い、円滑な人間関係を構築する能力の素地を養うため、各学校における体験活動等を支援します。
(3)学校生活に関する意識調査の活用
ハイパーQU(心理テスト)を実施し、児童生徒個々の学級や学校生活における満足感や意欲、児童生徒の学級内での相対的位置、対人関係を営むためのスキルなどの情報を得た上で、よりよい学級集団づくりに活用し、授業改善を図るとともに、いじめの未然防止に生かします。
(4)情報モラル教育の推進
インターネット、ソーシャルネットワークサービス(SNS)等を通じて行われるいじめに学校が対応し、情報モラル教育を推進できるよう、専門家を活用するなどの支援をします。
(5)児童会・生徒会活動の支援
平成24年12月10日の「港区子どもサミット」で決定した「港いじめ防止子ども宣言」を各学校で有効に活用する機会を設定するとともに、児童生徒自らの主体的な取組を推進するため、毎年12月に開催している「港区子どもサミット」において引き続きいじめをテーマの一つに設定するなど、各学校の児童会・生徒会活動を支援します。
(6)教職員の資質の向上
いじめの発見や対応には専門的な知識が必要であり、対応する教職員の資質・能力の向上は欠かせません。そのため、職層研修や生活指導主任会、いじめ防止に関する講演会などを通じて、教職員が適切に対応できるよう研修の充実を図ります。
(7)いじめ防止に関する啓発資料の提供
各学校におけるいじめ防止の取組が確実に行われるよう、参考資料として「いじめ防止リーフレット」を作成し、各学校、保護者、地域の方々に提供します。
「いじめ防止リーフレット」には、いじめを理解するための統計資料に加え、各学校の取組の参考となる、いじめの未然防止、早期発見、早期対応等の具体的な内容を示すとともに、児童生徒アンケート、校内研修、保護者会等で活用できる資料を掲載します。
(8)家庭・地域との緊密な連携・協力
教育基本法第10条「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。」に鑑み、家庭に対し、その保護する児童生徒がいじめを行うことのないよう、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう啓発していきます。
また、教育委員会は、家庭、地域、関係機関等の連携が進むよう、道徳授業地区公開講座やセーフティ教室の開催等を支援します。
※1)人権教育推進委員会は、各幼稚園、小中学校の代表者で構成される委員会で、学校教育における人権教育を推進するために、情報交換・資料収集・調査研究等を通じて教職員の人権感覚を磨き、資質の向上を図るものです。