南海小学校保護者会

   規 則                            (大正二年現在)
第一條 本會は南海小學校兒童保護者會と稱し南海小學校兒童保護者竝に本會の目的を賛助せらるゝ特志者を以て組織す
第二條 本會の事務所は南海學校内に置く
第三條 本會は左の事項を行ふを以て目的とす
    一 學校と家庭との連絡を圖る事
    二 教育に必要なる用具を供給する事
    三 在學兒童教育のため奬勵の手段を執る事
    四 授業上の便利を計る事
    五 南海學校發展の後援をなす事
    六 教員に對し優遇の道を講する事
第四條 本會に左の役員を置き會務を處理す
    一 會長一名 本會を總理す
    一 幹事十名 會長を補佐し會務を處理す
    一 評議員三十名以上 會の重要なる事項を評議す
第五條 役員の任期は一ヶ年とし總會に於て選擧を行ふ但し役員は再選する事を得
第六條 本會の會費は一口一年金五拾錢とす但し一人にて幾口にても負擔する事あるべし
第七條 集金は每年四月とし總會の節持參すべきものとす但し當日缺席者は便宜の方法を以て納むべき事
第八條 總會には會務及會計の報告をなすべし
第九條 本會の基礎を確實にせんがため殘金は積み置くものとす
第十條 本會の會員名簿は每年之を調製し永久保存すべし
第十一條 會員の入退會及住所の變更等は總て事務所に申出らるべし
第十二條 本會の規則は役員會の決議に依り變更する事を得
 
   南海小學校兒童保護者會々務及會計報告
    會 務 報 告
一 明治四十五年四月二十二日南海小學校にて評議員會を開き前年度の會計審査及規則名簿會計報告書印刷の件を議す
一 仝五月二十六日保護者會總會を開く
一 仝六月九日一二五六學年生を上野動物園或は博物舘に又三四學年生を大森の妙華園蒲田の菖蒲園等に引率し校外教授す
一 夏期休業中兒童に作業を課するため全校兒童に雜記帳書用紙白地圖日記帳及騰寫したる半紙等を給せり
一 大正元年十月八日全校兒童大葬場殿參拜の節費用の不足を補へり
一 大正元年十一月四日全校兒童大森方面に遠足す
一 大正二年十二月の候兒童の内凍傷にかゝれるものに對し校醫處方の藥品にて治療をなす
一 仝三月兒童成績優良のものに賞品を贈與せり
一 大正二年四月二十日六學年生を行徳に引率し製鹽の方法を實地視察せしむ
一 兒童の學用品につきては常に用紙類を備置き時に從ひ種々の表類又は下敷等を騰寫して給與し修學に便せしめ又一般に成績品を集むる際等には其用紙を給せり
一 事務員及小使には平常の勞を慰するため七月に手當を給與せり
一 本校訓導及其家族に不幸ありたるもの三件に對し香料を贈呈せり
一 前校長に對し銅製花瓶を記念として贈呈せり
 
   會 計 報 告     (明治四十五年 大正二年)度分
    收 入 之 部
一 金四百四拾八圓七拾參錢五厘也
    内譯
  金百四拾圓四拾九錢五厘也    前年度分殘金
  金貮百九拾九圓七拾錢也     三百六十一人五百九十九口 外に貮拾錢一口一人分
  金八圓五拾四錢也        銀行預金利子
    支 出 之 部
一 金貮百四拾八圓六錢也
    内譯
  金拾四圓四錢五厘也       需用費
           (規則、會計報告等の印刷、判取帳、印其他)
  金七拾八圓七拾錢也       兒童費
           (乗車賃、入塲料等)
  金六拾圓六錢也         學用費
           (紙、墨汁、帳簿、學用品調印刷等)
  金四圓五拾八錢五厘也      用具費
           (額縁、兒童當番徽章ノ類)
  金拾五圓八錢也         賞品費
           (紙挾、筆入、硯箱等)
  金七拾五圓五拾九錢也      雜 費
           (手當、弔慰等)
差引殘金貮百圓六拾七錢五厘也
     金百九拾七圓拾九錢也  通帳殘金
  内譯{金壹圓四拾八錢五厘也  現金ニテ學校ノ殘金
     金貮圓也        未ダ銀行ニ預ケザル分
                   (來年度ニ繰越)

(南海小学校資料)