一、校舍と運動場開放
七月二十二日(水)から八月十日(月)まで二十日間 午前八時から同十一時まで 三時間 第一階教室三、體操場及運動場を開放し、一般兒導の學習並に運動遊戲のため特に便宜を考へて實施したのである。指導監督者每日交番に二名宛 衞生婦一名 使丁一名宛勤務したのである。
(一)、 設備上の槪要
1 體操場 ピンポン臺一 投輪臺二
兒童持參の玩具類數種
2 讀書室(甲)(一男教室) 各學年參考書並に趣味讀物 約八〇册
同 (乙)(一男女教室) 雜誌類その外 讀物 繪本
雜誌類約四〇〇册(内兒童持參の物三五〇)
(二)、施設上の槪要
1 開門午前八時 兒童は第一昇降口の受付で 學年別の箱に登校札を入れるのである。之で其の日の出席數を調べるのである。
2 自由讀書又運動遊戲 約一時間 自八時至九時
3 體操 午前九時 監督職員指揮 約五分位
4 自由讀書又運動遊戲 十一時迄
(三)、唱歌とお話の會
1 第一回 七月二十六日 午前九時半より約一時間
2 第二回 八月二日 同前
(四)、出席槪况
日々喜々として よく集合したのである。最も多數の日は 一六八名 雨天の最少數日で四三名 延人員一九四三名 日々平均九七、一五人の割であつた。
二、プールとシヤワーバスの使用
身體檢査に合格の者 シヤワーバスは一、二年希望兒童に使用さしたのである。
(一)、プール使用の槪要
1 プールの用水、水道と井水とを共用してカボリツトを定量に加入消毒し、每日使用後、水を取りかへる
ことゝした。水深は最淺〇、八米 最深一、二米とした。
2 使用兒童 三年以上の希望兒童を全部身體檢査の上虚弱者又は皮膚病 傳染性疾患者をのぞいて、監督
者指導のもとに使用さしたのである。而して、第一日午前男子部 午後女子部 第二日は反對に 交番に
使用させることゝした。
3 使用時間(1)プールは午前十時から 同十一時半までを午前部とし、午後部は一時から 二時半までとし
たのである。(2)バスは十時から一時間使用さした。
(二)、出席槪況
暑中は子供の最も喜ぶのは水である。水温二二度以上でないと 使用しない事にきめて居つたのであるが 兒童はそんな事には頓着なく 每日せがまれ、其の熱心に驚いたのである。出席數は最多一〇七人、最少五九人 平均日々九七、三九人に使用されたわけである。
三、夏休中のラヂオ體操
東京市長永田秀次郎氏を會長に戴くラヂオ體操の會が主催したラヂオ體操は、本校運動場で每朝午前六時から休暇中日曜を除き三十五日實施された。
參加されたのは在郷軍人團、青年團、一般家庭の有志竝びに本校職員兒童で日々中々盛況であつた。
因に出席情況を記載すると
最 多 最 小 延 數 日平均
兒童 一七四 五一 三六九二 一〇五・四八
大人 七三 四 一四七八 四二・二三
計 二四六 五五 六一七〇 一七六・二八
四、玉川夏季保健所
本區夏季施設の一つである玉川夏季保健所は例年の如く、七月二十二日より八月十日迄、二十日間府下多摩川村兵庫島に開設されました。何しろ區内小學校四年以上の參加兒童約六百名を甲乙二班に分ち、隔日に通所させることゝて、そのさかんなことは言ふに及びません。
特異の色別け帽が一見我が保健所の兒童であることを識別するやうになつてゐます。人員が揃ふと各學校別に澁谷から玉川電車で保健所へ運ばれて、所定の日課に從ふのであります。
保健所に於ける每日の行事をあげますと
1 午前八時 澁谷驛始發送
2 同 九時半 朝會・體操・ (水温調査)
3 同 十時―十一時 水泳(各組二回宛)
4 同十一時半―午後一時 晝食・午睡
5 午後一時半―同二時半 水泳(各組二回宛)間食
6 同 三時引上
尚開所中は數回にわたり玉川遊園地・玉川プールに出かけて兒童の慰安にあてました。
本校の參加兒童は男女合せて六十一名、渡來校長・大高訓導は前後して監督され、各職員もふるつてお骨折り下さいましたので、一同元氣よく好成績をもつて無事終了いたしました。
(氷川小学校『氷川学報』昭六)