時下益々御清穆之段奉賀候
陳者客年八月國家の緊切なる要請に基き急速の間ニ實施せる本都學童集團疎開に關しては戰時下凡る國難を克服し本事業の完遂に多大の御協力を賜り御蔭を以て學童保護の目的を達し今般學童大部の無事歸京を見るに至りたるは邦家の爲洵に御同慶に不堪と共に感佩措く能はざる所に御座候
就而茲に些か微意を表し度記念の印迄別途粗品呈上仕候間御受納被成下度候先は右不取敢御禮旁々御挨拶迄如斯御座候 敬具
昭和二十年十一月
東京都長官 廣 瀬 久 忠
栃木縣喜連川町
龍 光 寺殿
(芝小学校資料 昭二〇)