きょ年の夏休み、ぼくはヒキガエルの研究をしたので、ことしの夏休みは、カエルの種類について、調べてみました。
まず、地球上には、どれくらいの種類のカエルがいると思いますか。ぼくもおどろいたのですが、約二〇〇〇種類のカエルがいるそうです。ぼくが知っているのは、四〇種類ぐらいですが、その中から一〇種類をえらんでくわしく調べてみました。
一 アマガエル
アマガエルがなくと雨がふるといわれています。そして、八〇パーセント、あたるそうですから、テレビの天気よほうより、よくあたります。なぜ、雨の前になくのでしょう。それは、カエルはひふでもこきゅうをしますから ひふがしめっていないとこまるのです。
それで雨がまだ地上に、落ちてこない前に、空気がしめっぽくなってくると、カエルのひふは、びんかんに、それを感じてうれしくなって木の上や草むらでなきだすのです。
アマガエルは、かん境によって、からだの色をかえることができます。指の先にキュウバンがあるので、水そうでかう時、キッチリとあみのふたをしないと、ガラスをのぼってにげだしてしまいます。水かきは、小さくて目だちません。
色はみどり色で、体長は四cmぐらいのきれいなカエルです。
二 ウシガエル
牛のように大きな声を出してなきます。食用ガエルともいわれ、アメリカでは、くしざしにして焼いてたべるそうです。げん産地は、北アメリカですが、大正時代に日本に輸入されたものがふえて、今ではいろいろな所の湿地にたいてい住んでいます。
オタマジャクシは大型で、一二cmにもなり、カエルになるのは、生まれてから二年目です。体長は二〇cmにもなり、王様のようなりっぱなカエルです。すごいジャンプ力で、一度にがしてしまったら、なかなかつかまえることができません。ぼくは去年の冬 大きな水そうに、ヒーターをいれてかっていましたが、テレビやレコードで音楽がきこえてくると、さそわれていっしょに、ブワーン、ブワーンとなきだして、とてもかわいかったのですが、えさのあたえすぎで、しっぱいしてしまいました。いま、一年目のオタマジャクシがいますが、大事にそだてて来年の春にはカエルにしたいと思います。えさは生きたドジョウを一日おきに、一ぴきぐらいあげます。
三 アカガエル
せなかが赤ちゃ色をしたカエルで、日本各地の草原や林にすんでいます。おもしろいことには、一度冬みんからさめてたまごを生み、また冬みんのやりなおしをして、夏まで眠っています。ぼくが箱根のニコニコ学園でつかまえたアカガエルの色は、たいして赤くなかったのですが、友だちにもらったアカガエルの色は、とてもあざやかでした。その友だちは茨城県の水郷でつかまえたそうです。山にすむアカガエルと、低地にすむアカガエルは、色のこさがちがうことがわかりました。薬用や食用にされることがあるそうです。体長は、八cmです。
四 モリアオガエル
このカエルは、天然記念物に指定されています。おもしろいのは、たまごのうみかたで、池のそばの木のえだにたまごをうみつけます。オタマジャクシになった時、枝から下の池の中に落ちるしくみになっています。天然記念物なので、つかまえることはできませんが、見るだけでいいから、なんとかして見てみたいと思います。
来年の夏休みには、モリアオガエルがすんでいる 福島県のぬまに、旅行につれていってもらうことになっています。体長は九cmぐらいです。
五 シュレーゲルアオガエル
アマガエルとよくにていて、見わけがつかないくらいです。去年の八月とち木県のなすで、ぼくはシュレーゲルアオガエルとアマガエルの見わけをすることができました。その見わけかたは、アマガエルの水かきは小さいのですが、シュレーゲルのは水かきが大きいのです。その時、両方のカエルを見くらべて、ほかにちがいはないかと調べてみましたら、アマガエルは、足のものの所がうすみどり色で、シュレーゲルの方は、赤っぽい色をしていました。田のあぜなどの土の中にあわにつつまれたたまごを、四月から五月ごろうみます。体長は六~七cmになります。
六 カジカガエル
このカエルは なき声がきれいなので有名です。北海道をのぞく山地の浅い川にすんでいて、石や岩の上にはいあがるけれど、地上にはほとんどあがってきません。
かいかたは、水そうでなく、水ばんの中に水を入れ、中に石をつみあげて、はい上がる場所をつくってあげます。とびださないように、上から金あみをかぶせます。水は毎日とりかえてあげます。
七月ごろ石のかげなどに、たまごを生みますが、ツルツルしてとりにくく、親をつかまえるより、むずかしいそうです。ことしの五月、「長瀞」に行った時、カジカガエルを見つけたのに、にげられてしまってつかまえられなかったのが、いまでもざんねんです。体長は六~七cmぐらいになります。
七 トノサマガエル
ほとんど水中にいますが、陸にもあがります。オスは、夜中にほほをまるくふくらませて大きな声でなきます。
北海道いがいの池や田んぼにいますが、逃げ足が早いのであみでないと、つかまえられません。かいかたは、このカエルは、およぎもうまいし、水中にいることが多いので、陸より水の部分を大きくしてやります。ジャンプ力もつよく、ぼくは七月ごろエサをあげようと思って、すこしあけたすきからとびだして、すごいスピードで逃げられてしまいました。まだどこかで生きているだろうかと気になります。五月ごろ大きなかたまりのたまごを生みます。体長は一二cmぐらいです。
八 ツノガエル
南アメリカ産のカエルで、上のまぶたがかたくつり上がってつののようになっています。ぼくは、上野動物園の水ぞく館で見ましたが、とてもおもしろい顔のカエルです。こんど、水ぞく館にいったら、気をつけてよく見てください。体長は、一八cmぐらいです。
〔略〕
(芝小学校資料 昭三九)
【付記】自由研究が盛んになって、児童の積極的な取り組みが、各校で行なわれた。カエルの研究は夏休みには、上野の水族館の夏季学校にも通い、おたまじゃくしからカエルになるまで育て、観察記録をまとめたりして、カエルの種類についてしらべたものである。