愛宕中学校特別教育活動と5日制

  1、特別教育活動一覧
研究部指導者班  別研究室研究事項(トライ・アウト)トライ・アウト
職業分野
単位
(時)
文学部河合
本中
伊藤
新聞班
文芸班
演劇班
愛中新聞室
演劇研究室
新聞編集
資料蒐集・調査
事務関係50
社会部新田
熊倉
社会班
職業情報
社会室
職業指導
資料蒐集・調査・統計・グラフ
職業情報の蒐集・整理・統計
事務関係50
英語部星野
大室
石塚
第一班
第二班
第三班
各英話
研究室
会話・ほん訳・英習字事務関係50
購買部青山事務室
及び売店
販売・記帳・珠算・簡単な簿記事務関係50
珠算部竹内珠算研究室珠算
(毎火曜金曜の二時間)
事務関係50
数学部篠崎
田口
統計班
計算尺班
統計研究室
計算尺
研究室
統計・図表
計算尺
製図関係
事務関係
50
科学部堀岡
小西
根本
実験班
気象班
修理班
実験室
気象研究室
ラジオ・機械・科学玩具
気象観測・機械操作
機械器具の修理
機械操作関係50
音楽部佐藤
田口
ピアノ班
合唱班
器楽班
音楽室器楽
声楽
簡易楽器の製作
手技工作関係50
美術
  部
工芸
保正
阿部
小西
図画班
書道班
工作班
図画研究室
習字研究室
工作研究室
ポスター・図案・グラフ・広告
習字
学校施設の拡充
手技工作関係50
家庭部石田
阪東
 
裁縫ミシン班
手芸班
調理班
裁縫研究室
手芸研究室
調理研究室
和裁・洋裁・ミシン
手芸(あみもの・刺しゅう)
保育
調理・栄養研究・食品加工
家庭関係50
体育部阿部
武藤
阪東
運動班
保健班
運動場
保健室
 
体位測定・統計・図表
事務関係50
職業
相談部
熊倉職業相談室相談事務補助・集計・図表作製事務関係50
飼育
栽培部
小西
阿部
飼育班
栽培班
うさぎ・小鳥の飼育
 
飼育・栽培関係50

 
  2、特別教育活動
                                 三D 松山 節子
 私達の学校では昭和二十四年度の四月からホームルーム制、週五日制の実施と共に一週四時間の特別教育活動を教育プログラムの中に取り入れました。必修として三十時間(其の中に英語四時間を含む)を全生徒が一律に学習しているのに対して、この特別教育活動は生徒に選択の自由を与えています。選択の自由とは附属する部の選択の自由と学年別わくからの自由であつて又全生徒は必ずどれかの部に属する事になつているし履修の最低時間をきめられています。そしてすべての特別教育活動は一般教科のトライ・アウトコースの面から本校をみると事務、手技工作、機械操作、製図、家庭関係、飼育栽培の方面を選んで実施しています。そしてトライ・アウトの内容として新聞の編集(愛中新聞、若葉)資料の蒐集、調査統計、気象観測、機械の修理、ポスター、図案、学校施設の整備などが行われています。特別教育活動はこれによつて生徒の職業に対する興味(関心)をたかめ適性判定へ手がかりを得させる為のトライ・アウトを与えています。特別教育活動によつて示された生徒の特色、長所短所、好悪、結果の良否、過程における態度等を指導の先生はよくとらえて私達に自己評価を与えます。このようにして先生は私達の個人々々についてくわしい観察の結果と教科担任の先生の意見によつて最も適当と思われ、最も必要と認められる方面に入部するよう指導します。そして私達の盛んな研究心を助長し、より発展させるわけであります。
 
  3、五日制とPTA
                            愛宕中PTA会長 山口 太吉
 文化を愛する生徒諸君、諸君は新しい教育の常識である一週五日制という新天地を、世の注目を浴びながら、ただひたむきに開拓して来ました。
 従来の日本の教育制度では、一週間を無条件に六日として承認していましたので、相当に教養のある人でも、近頃のように生徒の学力が低下しているときに、何故また休みを一日多くするのだろうかなどという心配をしているようであります。
 しかし、新しい教育の考え方では、学校の勉強と遊び、あるいは家庭生活と学校生活との厳密な区別がなくて、ほんとうにりつぱな社会人になるためということが、すべての基本になつています。
 諸君もこうした大切な課題のもとに、土曜日は学力を向上させるよう自主的に計画された研究日として、日曜日は家族と一緒に楽しみ、家庭を愛する生徒になるようつとめる日として、生活して来ました。
 PTAでも、諸君を社会人としてりつぱな生徒に育てあげるのだという新しい教育の基本を生かして、五日制を諸君のよき指導の設計日として細心の心遣いを続けております。
 親愛なる生徒諸君よ、愛中の五日制と諸君の一挙一動とには、世の注目が光つています。将来とも誰にも劣らない学力をもあわせ持つりつぱな社会人となるための自主的な計画と最善の努力とを切にこいねがつてやみません。

(愛宕中学校校友会誌『若葉』三号 昭二五)