――生徒会組織の改組について――
新憲法の精神は私たちの日常生活の中に生かされなければならない。その政治機構は単に静的に理解されるだけでなく、できれば学校生活の中で組織的に実習したいものである。
そこで本年から生徒会の組織を改組し、先ず立法・司法・行政の三権を分立すると共に地方分権化をはかることとした、もつとも司法権を全面的に生徒に任せることは弊害もあるので今年は先生方が司法権を持つことにした。そしてその代りにというわけでもないが教養機関を加えたのである。
(学校) (学級)
(立法機関) 議員会及び総会 学級会(全員)
(行政機関) 学校委員会 学級委員会
(司法機関) 職員 職員
(教養機関) 部長会 ――
学校の中央議決機関たる議員会には各学級から男女同数の議員が選挙によつて選ばれ、予算会議のような時には、執行機関や教養機関の代表者が出席して意見を述べるが、議決権は議員だけに与えてある。
学級会の場合は代議制をとらず直接クラスの全員が議決権を持つ
学校の中央執行機関たる学校委員会の長はすべて三年生候補者の中から選挙される。学級委員長は総務・財務・図書館・保健・施設の各委員長を指名し、各委員長はその所属する委員を指名する。但し、公安委員は政治に支配されてはならないので初めから選挙制にした。教養機関には研究と運動の二方面がある。各部には部員の選挙により部長がおかれる。右機関の議員や委員や部長に対する任免権は学校長にある。司法権特に違憲立法審査権に相当するものは学校長にあるので不適当な議決は無効にすることができる。
以上は生徒会の四月総会によつて可決され即時実施された。毎週月曜日は自治活動の日とし火曜木曜は運動部、水曜金曜は研究部の日とし、教養機関への入部は随意としてある。
(北芝学報『若鮎』四号 昭二六)