道 徳 指 導 案 |
実施学級 | 指導者 |
第二学年二組 | 大出達雄 |
第二学年四組 | 下谷智江 |
第二学年七組 | 吉川常男 |
一 主題名 親のねがい
(学習指導要領との関連 Ⅲの一、Ⅱの三、Ⅰの二)
二 主題設定理由
この時期の生徒には、日常の家庭生活で親に対していたずらに反抗したり、わがままをいったり、うるさ
がったりする傾向が見られる。こうした精神的傾向を成長の過程として見守り、親子の関係の底にある親の
立場、愛情に目をむけさせ、親子関係のあるべき姿を理解させる。そして家族の一員として、家庭生活を
いっそう健全なものにしていく意欲や喜びを持たせる。
三 指導目標
一 家庭の幸福を築くため、子として正しい親のねがいを理解し、親子が愛情によって結ばれるよう努める。
二 家族の一員としての誠実な生き方を求める。
四 指導計画
指 導 内 容 | 資 料 | |
第一時 (本時) | 一 親子の関係に目をひらかせる。 二 「生きること」(生徒作品)を読ませ、その課題にとりくませる。 三 「わが家」(生徒作品)を朗読させ、感銘を深めさせる。 | 一 調査資料 Ⅰ、Ⅱ 二 「生きること」 三 「わが家」 詩 |
第二時 | 一 前時と本時の関連づけをする。 二 「母との争い」(生徒作品)を読ませ、その課題にとりくませる。 三 教師によるまとめ。 | 一 母との争い |
五 指導過程
本時のねらい 一 日常家庭生活で、親が子に求めること、立場、気持をくみとらせる。
指導内容 | 方 法 | 予想される学習活動 | 時間 | 留 意 点 | |
導 入 | <親と子とのねがい>の調査資料 | 生徒の発表の処理 | 調査項目の重要項目に目を開かせる。 | 10分 | 生徒のチェック事項にすべてふれながら。 |
展 開 | 「生きること」(生徒作品) 資料からの葛藤事項 | 読 み 問 答 討 議 ノートにまとめさせる | 健全な家庭をきずくために努める親子の愛の所在をつきとめる。 一 父や母は、直子さんや弟に対してどのように望み、どんな気持をもっているか。 二 直子さんは、父母をどのように感じているか。 三 直子さんの家庭をどう思うか。 | 35分 | 今日の家族関係、家庭のあり方の正しい方向にそう。 |
終 結 | 詩作品「わが家」 生徒作品 | 朗 読 | 感銘を深め心情にうったえる。 | 5分 |
親のねがい
「ふだんの生活の中で、親に対して こうしてほしい こうしないでほしい」という気持をもつことがあるでしよう。
次は、先日二年生のあるクラスの生徒たちについて調べた結果から一五項目だけえらんだものです。
調査I
一 他人とくらべないでほしい。
二 きようだいを公平に可愛がってもらいたい。
三 あまりしつっこく「勉強しなさい」と言わないでください。
四 時には家族でいっしょにでかけたい。
五 家族の話しあう時間をつくってほしい。
六 子供あつかいをしないでほしい。
七 子どもの気持ちをわかってほしい。
八 もっと早くつとめから帰ってほしい。
九 悪い成績をとればおこるが、よい成績をとってもほめない。
努力して喜んでもらおうと思うが、そのむくいがない。
一〇 もっとからだを大切にしてほしい。
一一 しかるときは、なっとくのいくようにしかってほしい。
一二 ぼくらにゆめを、大きくかけないでほしい。
一三 もう少し手伝いをへらしてほしい。
一四 勉強部屋がほしい。
一五 勉強しているとき、用事をいいつけないでほしい。
課題I 上の一五項目のうち、あなたが同感だと思うものにチェックしなさい。
チェックしたもののうちから一つをえらんで、どのような場合に、そのように思ったか、作文を書き
なさい。
次は、上記のクラスの生徒の親に「ふだん家庭で子に対し、こうあってほしい、こうしてほしい。」ということをかいてもらった結果から、一六項目だけえらんだものです。
一 物事を最後まで、やり通すようにしてほしい。
二 年長者を尊敬する心をもってほしい。
三 中学一・二年の現在の勉強が、これからの学業の基礎になる大事なものであることを自覚して、自発
的に学習してほしい。
四 同じ注意を何度もうけないようにしてほしい。
五 勉強に好ききらいをしないで、しっかりやってほしい。
六 言葉づかいを正しくしてほしい。
七 他人に迷惑にならないようにしてほしい。
八 家族の中にある自分の地位を知り、子としての義務をつくすようにしてほしい。
九 外出のときは、行先をはっきりといっていくようにしてほしい。
一〇 親の注意は、すなおにきくようにしてほしい。
一一 物を大切にしてほしい。
一二 だれにでも愛される人間になってほしい。
一三 礼儀作法を正しくしてほしい。
一四 一日一つでもよいから、人に親切な行動がとれる人になってほしい。
一五 意志の強い子どもになってほしい。
一六 健康で明朗な性格であってほしい。
課題Ⅱ 父母におねがいして、上の一六項目のうち、同感だと思うものにチェックをしてもらって下さい。
チェックをしてもらったもののうちから一つをえらんでもらって、それについてのお話をうかがっ
て、ノートに書きなさい。そして、それに対するあなたの意見感想をかきそえなさい。
課題Ⅲ 調査Iの結果と調査Ⅱの結果を、くらべて考えてみよう。
〔参考資料省略〕
(高松中学校資料 昭三八)
【付記】昭和三十八年十月二十四日道徳研究指定校として公開研究発表会を行った。その際の研究授業の指導等である。