特殊教育の振興策として昭和四十年度特記すべきことに特殊学級を本村小学校に二学級新設、城南中学校に一学級増設したことがあげられる。その結果本区の特殊学級は、小学校三校六学級、中学校二校六学級となり、それぞれ九十名ずつの児童生徒の収容が可能になった。
次に特殊学級用スクールバス二台の購入、運行があげられる。遠距離通学の児童を交通禍から守るために、関係者からの強い要望にこたえた措置である。登下校に対する不安から入級をためらう父兄がかなりいるとき、この措置が入級者の募集難解消にも一役かうことが期待される。
特殊学級における教育については、都教育委員会の特殊学級における教育課程編成要領にてらして本区の教育課程を再検討する。あわせて個人の能力に応じた指導について一層研究を深める。指導室としては学級訪問や研究会への積極的参加等によって研究の推進を図りたい。
また特殊教育について教職員全員の理解を深めるため本年度は次の事業を新しく計画している。
① 特殊児童生徒の実態調査
本区の小中学校の児童生徒の中には約一、〇〇〇名の知能の低い子どもがいるといわれている。ほかに、
弱視・難聴・身体虚弱・言語不自由・肢体不自由・性格異常等の原因によって、ふつうの者のように教育の
恩恵を受けることの困難な子どもたちがいる。本年度はその実数、教室における実態を明らかにする。
② 特殊教育協議会
年三回特殊教育協議会を開催して、特殊学級に対する認識を深め、ふつう学級における特殊児童生徒の指
導等について協議する。さらに協議の結果が各校の学校経営に反映するよう措置する。
③ 沼津養護学園参観
小学校教頭・養護教諭の区立沼津養護学園参観を実施して、その認識を深めるとともに、身体虚弱児童に
対する指導のあり方について研究協議する。
特殊教育研究協議会
昭和四十三年度 |
七・ 四(木) | 一学期は小学校、二学期は中学校の特殊学級の参観を通じ、普通学級における心身障害児童・生徒の指導上の問題点、特殊学級の実態および入級・判別指導についての理解を深め、各学校において、いっそう有効な計画的対策を推進できるようにする。 |
一一・二二(金) |
心身障害学級研修会
昭和四十九年度 |
○心身に障害をもつ子、特に本年度は精薄と情緒障害、ことばの障害の傾向をもつ子の指導について理解を深める。 | ○普通学級における情緒障害のある子の指導ついて ―事例発表と講演― ○障害児学級への入級指導について | ○六・ 六(木) ○六・二六(木) ○一・二八(木) ○二・一八(木) |
○障害児学級の概況を理解し、特に入級指導の進め方について研修する。 | ||
○障害児教育の充実振興を図るため講演および施設見学を行なう。 | ○都立養護学校の施設見学 |
昭和六十一年度 |
心身障害教育研究会(五) 〔一般教諭対象〕 心身に障害をもつ子に対する理解を深めるとともに、普通学級における障害をもつ子の指導のあり方について研修する。 〔心身障害学級担任対象〕 心身障害学級における教育課程編成上の基本をふまえ、その指導のあり方について研修する。 | 五・三〇(金) | ○普通学級に通う心身に障害を持つ児童・生徒の指導の在り方 |
六・一二(木) | ○進路を見通した小・中一貫の指導について | |
九・一二(木) (兼新採研) | ○授業研究―ことばときこえの教室における指導の在り方 | |
一一・二七(木) | ○授業研究―多重障害児の指導の実践 | |
一・二三(金) | ○医師の立場から見た心障教育 |
昭和六十三年度 |
心身障害教育研究会(二) 〔一般教諭対象〕 心身に障害をもつ子に対する理解を深めるとともに、普通学級における障害をもつ子の指導のあり方について研修する。 〔心身障害学級担任対象〕 心身障害学級における教育課程編成上の基本をふまえ、その指導のあり方について研修する。 | 六・九(木) 七・八(金) 一一・一八(金) 二・一七(金) | ○普通学級に在籍する心身に障害をもつ児童・生徒の指導の在り方 ○心障学級の実践的取組み ○研究発表会参加 ○講演会(内容未定) |
(『指導室・教育センター要覧』)