平成五・六年度 文部省指定 心身障害児理解推進校
平成六年度 港区教育委員会研究協力校
研究主題
人間尊重の意識を高める教育の推進
――共に活動し、共感する心を育てる教育を目指して――
授業展開 |
学年 組 | 活動 | 内容 | 指導者 | 場所 |
一年C組 | 学級活動 | 「手話で話そう」 | 鈴木晴子 | 三階教室 |
二年B組 | クラブ (交流) | 港養護学校中学部の生徒との交流 | 広野隆 | 各場所 |
一年C組 学級活動指導案
一 題材 手話で話そう
二 題材設定の理由
本校の心身障害児理解教育は、主に港養護学校との交流を中心に展開されてきた。一年C組の生徒も、
港養護学校で毎年行われる「みなと祭」に、本年度は合唱で参加するなど、港養護学校の生徒と接する機
会は多かった。また同学年に車いすで生活する一年D組の同級生がいるので、肢体不自由児についてもあ
る程度の知識は身についてきたと考えられる。これをさらに発展させて、視覚障害、聴覚障害などその他
のさまざまな障害についても知識をもち、障害のある人たちの日常の苦労を知ると同時に、その立場に
立って自分たちにできる手助けをすすんでやろうとする意識をもたせることを目標としてこの題材を設定
した。
三 学級所見
男子十七名、女子十二名、計二十九名。全体的に明るく活発である。特に男子は明るいが、多少けじめ
のつかない生徒もいる。
女子は比較的おとなしいが、学力はやや低い。通常の授業には積極的に取り組むが、私語が多くなるこ
ともある。各行事には、クラス全員で団結し意欲的に参加する。四月以来、周囲に対する思いやりに欠け
る言動も多少見られ、その都度指導してきた。
本時の前に二時間、手話の学習を行った。男子の中には、おおきな身振りで手話をやることに多少抵抗
のある生徒もいるようであるが、概ね興味をもって取り組み、第一回目の授業後の感想文では「もっとい
ろいろな手話を覚えたい。」「本当に耳の聞こえない人と話をしてみたい。」など意欲的なものが多かっ
た。
四 指導目標
・手話を覚え、実際に聴覚に障害のある人と手話で会話をすることによって、障害のある人を自分とは遠
い存在ではなく、身近な人として感じさせる。
・手話を使って聴覚に障害のある人にいろいろと質問をすることで、その苦労や自分たちにもできる手助
けについて知るとともに、広く障害のある人に対する思いやりの気持ちを育てる。
五 指導過程
(1) 指導計画
第一時 指文字について
手話による自己紹介の仕方
第二時 手話を使って聴覚に障害のある人と話そう。
手話による歌唱
第三時 手話を使って聴覚に障害のある人にいろいろと質問しよう。
手話による合唱……………………………本時
(2) 本時の活動
① 場所 一年C組教室
② 本時のねらい
・手話を使って聴覚に障害のある人に、日常の生活で困ること、手助けしてほしいときのことなどを
質問することで、障害のある人の苦労を知り、思いやりの気持ちを育てる。
・手話による合唱をすることで、さらに手話に親しむ。
③ 講師
芳山 通江
平井 寿子
井崎 敬子
④ 本時の展開 |
学習内容 | 学習活動 | 指導上の留意点 | |
導入 5分 | ・あいさつ | ||
・教師の話 | |||
○本時の内容について説明する。 | ・講師については二度目であるので、簡単な紹介にとどめる。 | ||
展開 40分 | ・手話、指文字の復習 | ・第一時、第二時で習った手話や指文字について思い出す。 | ・手を動かすと同時に口を動かすことも大切であることを確認する。 |
・手話による一問一答 | ・平井さんに質問する。 ○日常の生活で、困るのはどのようなときか。 ○どのようなお手伝いができるのかなど。 | ・手話通訳をしていただく。 ・耳が聞こえない人の立場に立って、質問内容を考える | |
・質問に対する平井さんの答えをできるだけ推測する。 | ・答えがわからない部分については、手話通訳をしていただく。 | ||
・歌詞の手話の復習 | ・「夏の日の贈物」の歌詞の手話を思い出す。 |
二年B組 クラブ活動指導案
一 題材 「クラブ活動を通しての交流」
二 題材設定の理由
共に活動し、共感する心を育てるため、本校では、持久走大会、クラブ活動、学芸発表会などさまざま
な場面で、港養護学校の生徒との直接交流の機会をもって、心身障害児理解教育に努めてきた。本年度一
学期に三年C組、二学期に二年A組、今回の三学期には二年B組と、三回目のクラブ交流である。できるだ
け少人数化し、相互に話し合い、助け合い、励まし合う場として、楽しい雰囲気の中でより良い人間関係
を育てる本活動の意義は大きいと考えこの題材を設定した。
三 指導目標
(1) 交流活動を通して、お互いをよく知り、理解を深める。
(2) 楽しい雰囲気の中でよりよい人間関係を育てる。
(3) クラブ交流により、助け合い、励まし合い共に生きる態度を育てる。
四 指導計画
第一時 交流の意義、交流班作り、クラブ活動の説明
第二時 クラブ活動を通しての交流…………………………本時
第三時 反省と今後の課題
五 学級の実態
男子二十名 女子十六名 計三十六名
十月に持久走大会を経験し、港養護学校の生徒との直接交流を深めてきた。クラスとしては、このクラ
ブが二回目の直接交流となる。持久走大会の時のパートナーの名前をほとんどの生徒が覚えていて、違っ
た場面での交流を楽しみにしている生徒が多く、港養護学校の生徒に違和感なく接することができると考
える。
六 本時の活動
(1) 港養護学校中学部のクラブ活動を通して、お互いをよく知り、助け合い、励まし合い、共に生きる態
度を育てる。
(2) クラブ名、担当者、活動場所、人数
クラブ名 | 本校担当教諭 | 活動場所 | 養護人数 | 港南人数 | 計 |
球技 | 小林順子 | 二階学年ホール | 男五 女三 | 男四 女二 | 一四 |
ローラースケート | 関 康子 山崎 哲 | 一階小体育館 | 男八 女四 | 男四 女四 | 二〇 |
音楽 | 松野正美 広野 隆 | 一階音楽室 | 男三 女九 | 男四 女四 | 二〇 |
野外活動 | 高柳一夫 斎藤章代 | 一階ピロティー | 男九 女六 | 男五 女四 | 二四 |
ゲーム | 菅 善蔵 井上太郎 | 三階集会室 | 男三 女四 | 男三 女二 | 一二 |
合計 | 二八 二六 | 二〇 一六 | 九〇 |
(3) 展開
時程 | 活動内容 | 指導上の留意点 |
一:二〇 | 港養護学校生徒到着 | ・二B生徒・担当教諭玄関に出迎え各活動場所へ案内する。 |
一:二五 | 交流活動 予定に沿って活動 | ・本校生徒にリーダーシップをもたせクラブ活動をする。 |
二:〇〇 二:〇五 二:一〇 二:一五 | 交流活動終了 港養護学校生徒帰校 後片づけ 終了 | ・あいさつ ・玄関まで見送る。 |
(4)各クラブの活動内容 |
○球技クラブ | 活動場所(二階学年ホール) |
生徒責任者 大野 勇治 | |
・自己紹介 | |
・準備体操 | |
・競技(ピロポロ) | ①パス練習 ②シュート練習 ③二組に分かれてリレー ④ゲーム |
・後片づけ、終わりの挨拶 |
○ローラースケートクラブ | 活動場所(一階小体育館) |
生徒責任者 小野 龍央 | |
・自己紹介 | |
・チーム分け | |
・準備体操 | |
・ウォーミングアップ(スケート靴をはき、二人一組で滑走する。) | |
・紅白対抗リレー(二回戦) | |
・後片づけ、終わりの挨拶 |
○音楽クラブ | 活動場所(一階音楽室) |
生徒責任者 伏見 美香 | |
・自己紹介 | |
・両校の校歌の紹介 | |
・カラオケ大会 | |
・後片づけ、終わりの挨拶 |
○野外活動クラブ | 活動場所(一階ピロティー) |
生徒責任者 島崎 浩司 | |
・あいさつ | |
・競技説明(輪を三つつないで、その中に生徒が入りリレーをする。) | |
・二チームに分かれる(三人グループを五個つくり一チームとする。) | |
・練習 | |
・リレー | |
・後片づけ、終わりの挨拶 |
○ゲームクラブ | 活動場所(三階集会室) |
生徒責任者 鈴木 ひろ子 | |
・自己紹介 | |
・ゲーム班作り | |
・班ごとに分かれてゲーム(一五分間) | |
①もぐらたたきゲーム | |
②金魚すくいゲーム | |
③風船バドミントンゲーム | |
・風船バドミントンゲーム・・・全員で(二〇分間) | |
・後片づけ、終わりの挨拶 |
(港南中学校資料 平六) |