校長の任用

明治二十四年七月 日
                                    第 三 課
   小學校長任命ノ件
     辭令案
                                  高 野 正 家
任東京市芝區櫻川尋常高等小學校長兼訓導
    東京市芝區尋常高等小學校長                   右 同 人
月俸 貮拾五圓給與
別紙上申ヲ裁可セラレ本案御下命相成可然此儀相伺候也
 
 〔別紙〕
第五〇三號
   小學校長兼訓導任用之儀上申
                               新潟縣士族
櫻川尋常高等小學校長兼訓導                     高 野 正 家
月俸 金貮拾五圓
右之者頭書之通リ御任命相成候様致度別紙履歷書相添ヘ上申仕候也
  明治二十四年七月二十二日
                          東京市芝區長 鈴 木 良 輔 印
 東京府知事 伯爵蜂須賀 茂韶殿
    〔履歴書略〕
 
 
【付記】校長の職務内容が法的に明確に規定されたのは、明治二十三年の「第二次小学校令」以降であった。明治二十四年の「小学校長及教員職務及服務規則」によると「校務を整理シ所属職員ヲ監督スヘシ」とされ、校長は正教員の中から選ばれ、教員兼務で必ず授業を担当するものであった。なお、明治の始めの頃の校長にあたる名称については「主宰」「首席」「教頭」等が用いられた。