四月五日に落成式
期待される公民館的機能
港区十周年記念事業の一つとして、昨年六月から芝三田四国町一〇番地に建設していた区立三田図書館が、この二十五日頃完成し、四月五日、落成開館式が行われることになりました。
建設費は、電気水道工事費を含めて七千二百三十六万円、日比谷図書館を担当された斎藤謙次工学博士の設計で、地下一階、地上二階、延五三五坪余りの近代建築です。
前頁の写真のように、三月五日現在建物の外観は完成し、内部施工に移つていますが、閲覧席は二部屋で二五〇席、正面ホールは総ガラス張りで休憩室兼、新聞雑誌の閲覧所となつています。
ほかに児童閲覧室、ミュージックライブラリイ、フイルムライブラリイ、視聴覚室などが設けられ映画フイルムやスライド・レコードの貸出しも実施できて図書館としての機能を完備しているばかりでなく、図面でおわかりのように集会室二、日本間一、茶席一があつて、各種の集会に利用できるようになつています。
この集会室は、広く一般の利用に供するほか、港区教育委員会では、これを利用して、区内の婦人団体、青少年団体の社会教育活動を活発に展開する予定で、いろいろと計画がすすめられています。
また区内の商店街では一斉休日を実施するところが多くなつてきましたが、この休日に、ここを利用して、店員の教養講座を開設したり、楽しいレクリエーション活動を実施したい計画もあるようです。
現在、社会教育課では閲覧台や椅子、カードや整理券など必要な調度や品目の調達準備や、蔵書の選定に忙殺されています。
蔵書は、開館当初はとりあえず四、六五六冊をそろえ、逐次補充して、できる丈早く三万冊位は備え付けて区民の要望に応じたい意向です。
購入予定の部門別書籍数と、図書館の一、二階案内図は次のとおりです。(案内図省略)
部門別購入予定図書数
〇門 総 記 編 一〇〇冊 七門 芸 術 二五四冊
一門 哲 学 一五〇冊 八門 語 学 二〇二冊
二門 歴 史 四六六冊 九門 文 学 一、一一四冊
三門 社会科学 五〇〇冊 児童図書 五八八冊
四門 自然科学 四八〇冊 辞書類 二二一冊
五門 工 業 四〇〇冊 計 四、六五六冊
六門 産 業 一八一冊
(『港区政ニュース』昭三四・三)