電気通信工学校

昭和十二年八月十二日
                     東京市芝區高輪臺町四十一番地
                        財團法人電氣通信工學校
                            理事長 小 船 井 敬 吉
 東京府知事 舘 哲二殿
 
   私立學校設置認可申請
私立學校令第二條ニ依リ電氣通信工學校ヲ設置致度候條御詮議ノ上至急御認可相成度左ノ通リ及申請候也
     一、目  的
電氣通信技術者ノ養成(詳細ハ第一號添付趣意書ノ通リ)
     二、名  稱
電 氣 通 信 工 學 校
     三、位  置
東京市芝區高輪臺町四十一番地(學校位置ヲ示ス略圖ハ第二號添付圖面ニアリ)
    〔略〕
 
   電氣通信工學校設立趣意書
最近電氣通信界ニ於ケル技術ノ進展、事業ノ擴張並製造工業ノ發達ハ寔ニ顯著ナルモノアリテ之カ從事者ニハ適當ナル專門ノ教養ヲ爲スノ必要アルハ贅言ヲ要セサルトコロナルモ比較的下級技術從事者ヲ專門ニ養成スル機關極メテ僅少ニシテ之等ノ進展ト相伴ハサルハ甚タ遺憾ノ次第ナリ。此缺陷ヲ補フ可キ適當ナル養成機關設置ノ要望ハ既ニ關係各方面ニ於テ熾ニ提唱セラレ近頃政府亦自ラ熟練工養成機關設置ノ急務ナルヲ唱導シツツアル現狀ニ鑑ミ斯界ノ權威者ヲ講師トシ實驗装置ヲ完備シ智育ニ偏セス實學ヲ主トシ併セテ徳性ノ涵養ニ努メ以テ電氣通信技術界ノ第一線ニ立チテ力闘シ得ル優秀ナル技術者ヲ養成シテ國家社會ニ貢獻センカ爲ニ電氣通信工學校ヲ設立セントス
 
東実二五六號
                          財團法人電氣通信工學校設立者
                                   電氣通信學會
昭和十二年八月十二日附申請財團法人電氣通信工學校設立ノ件民法第三十四條ニ依リ許可ス
昭和十二年十月十四日
                             文部大臣 安 井 英 二

(都公文書館資料)


 
【付記】東海大学高輪台高等学校の前身。昭和十九年甲種工業認可をうけ東海工業学校となる。戦後、教育制度の改革で東海高等学校と改名、更に二十七年東海電波高等学校となる。三十八年に普通科を併設し、四十三年校名を東海大学高輪台高等学校と改めた。