見る・知る・伝える~港区教育アーカイブ~ > 子どもたちの学びの歴史 > 保健・衛生
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右の写真は、昭和11年(1936)、白金小学校(当時の白金尋常小学校)に設置された人工太陽灯です。開校60周年を記念して、保健室に設置されました。
当時、人工太陽灯は、ドイツ、イギリスの学校に普及しており、アメリカでは家庭にまで置かれるなど、結核菌や伝染病菌に効き、健康促進の効果が高いとされていました。当時の日本は結核病が多く、また、学校には虚弱児童も少なからずいたことから、太陽灯が必要だと考えられるようになりました。高額だったにも関わらず、旧桜川小学校(当時の桜川尋常小学校)、旧氷川小学校(当時の氷川尋常小学校)などにも置かれるようになりました。旧氷川小学校では、養護学級の児童10名に対し、1週間に2回、合計22回照射した結果を、次のようにまとめています。「元気になった…10」「食欲が増した…8」「食物の好き嫌いが直った…6」(数字は人数)……など。
笄小学校(当時の笄尋常小学校)でも日光浴室が設置され、「日光線を浴びると、筋肉の発育を良くする、脂肪性肥満を治す」「血液への効果としては、赤白血球数の増加、血液全量の増加、血液中の殺菌力の増加が認められる」などと記述が残されています。