(2) 爬虫類、両棲類、魚類

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【爬虫類】 かつては、ネズミを捕食するので、家屋内に住みつくと喜ばれたアオダイショウも、今ではパトロールカーの出動を仰ぐ結果となって、その数も激減してしまったので、港区内で比較的多く生息している自然教育園や青山墓地を除いては、年間で一〇回も出逢えば多いほうになってしまった。しかも、たいていは見つけ次第棒でたたいたり、石をぶつけたりして、殺してしまうことが多いのは困ったことで、これでは遠からず港区内からヘビは姿を消すことになってしまうのではないかと心配である。
 ヤマカガシも激減してしまったが、それでもアオダイショウに次いで多く、時には太さ五センチ以上もの大形のものを見ることがある。しかし、昔の絵にあるようなオロチともいえる大きな姿のものは現在では見当たらなくなってしまっている。
 マムシは、すでに港区内には自生はないと見てよいが、生きた蛇を商う店舗から逃げ出したものが、時おり草むらなどに住みついていることがあるので注意をしたほうがよい。
 その他のヘビには、まずお目にかかれるほうが珍しいくらいである。
 トカゲ類は数が多く、まだいくらでも見られるし、ヤモリも外灯のグローブなどにとまっているのをよく見かけることがある。
 カメはイシガメとクサガメが、古い屋敷や自然教育園、あるいは各地の公園などに生息しているが、本来からの自生は恐らくほとんどないものと思われる。
【両棲類】 両棲類で多いのはヒキガエルで、まだ区内至るところで見られるが、ほかのカエルは極端に少なく、アマガエルが比較的目につく程度となっている。これらは餌が問題よりも、産卵する水たまりに適当なものが少ないからだと思われる。
 サンショウウオは完全に姿を消し、イモリもほとんど絶滅してしまったようである。
 魚類では、かつて清流を好んで生息していたタナゴやハヤが早々と姿を消し、戦前まで見られたチョウセンブナも今ではまったく絶滅してしまっている。フナやコイも、公園の池などに辛うじて生息しているにすぎないが、メダカとモツゴはまだかなり多く、区内各地でよく見ることができる。また、帰化魚のカダヤシも繁殖しており、まれにグッピーが住みついていることもある。
 海産魚ではハゼ、フッコ、スズキなどが沿岸で釣れることがある。