(三) 鎌倉時代までに創建された区内の古社寺

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 いずれの地域にあっても、古い史実を伝え、また、各種の記録、文書、典籍を有するのは、神社と寺院とである。広くわが国全体をみても、文書、記録類を最も多く所蔵するのは、京都の東寺(教王護国寺)、紀州の高野山、奈良の東大寺をはじめとする寺院と、神社では伊勢神宮、出雲大社、熱田神宮、石清水八幡宮、諏訪大社などがそれである。
 文書や記録の伝来に比べれば、伝承類はあまり信を措き難いことが多いが、といって区内に伝わるいい伝えを、いちがいに無視する態度もさけるべきであろう。仮にそのいい伝えが、その時代まで遡り得ないとしても、それぞれの伝承の源に少しでも迫ることは無意味ではない。したがって、ここでは区内の寺社のそれらを中心として簡単にみていきたい。