性比・年齢構成

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【男女性比・年齢構成】 江戸時代中期まで、江戸社会は男子人口が過剰の男っぽい社会だった。十九世紀になると性比のアンバランスも是正されてきたようであるが、港区地域ではどのようだっだろうか。
 表22には神谷町のほか、港区地域に隣接する宮益町・渋谷道玄坂町・同東福寺門前の男女別人口と性比を掲げてある。この程度の人口規模では、はっきりした傾向を指摘することは難しいが、神谷町では他町よりも若干男子人口が多かったようである。
 

表22 男女別人口

町 名 ・ 年 代総人口性 比
神谷町


天保15年(1844)
弘化3年(1846)
嘉永2年(1849)
71
75
77
41
45
44
30
30
33
137
150
133
宮益町慶応3年(1867)656350303117
道玄坂町 同  (同)1477473101
東福寺門前 同  (同)93435086

(注) 南和男『幕末江戸社会の研究』による。


 
 年齢構成を年少人口(一五歳未満)・青壮年人口(一五~六〇歳)・老年人口(六一歳以上)に三区分して、表23に示してある。四町を通じていえることは、老年人口が少ない反面、青壮年人口(生産年齢人口)の比率が高いということであろう。このことはとくに神谷町で著しいが、比較的若い世代の男女が、単身または家族で出稼人・奉公人として、江戸へ出てきていることの結果であろう。神谷町では、青壮年人口の性比は他の年齢よりかなり高い(神谷町一四三)。このことも単身、江戸へやってきて店借層を形成する男子労働者が多かったことを物語っているだろう。
 

表23 年齢別構成

地 名年少人口青壮年人口老年人口合計の百分比
年少青壮年老年
神 谷 町
宮 益 町
道玄坂町
東福寺門前
11
85
30
18
8
88
23
18
19
173
53
36
30
237
40
26
21
217
44
30
51
454
84
56
0
28
6
0
1
26
4
1
1
54
10
1
26.8
25.4
36.1
38.7
71.8
66.7
57.1
60.2
1.4
7.9
6.8
1.1

(注) (1) 資料は表22に同じ。(2) 神谷町は天保15年,他町は慶応3年の人口。