(3) 経済活動に基づく周辺地域との関係

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【江戸周辺の野菜生産】 江戸時代前期には、江戸と関東地方との経済的関係は比較的弱く、江戸はむしろ上方の経済と直結する都市であった。しかし、江戸時代後期になると、次第に関東およびその周辺地域では、江戸の需要を目的とした生産が大きな意味を持つようになってきた。このような江戸を経済的中心とする地方の発展を「江戸地廻り経済圏」の形成とも呼ぶ。
 こうした経済事情のなかで、港区地域においても、さまざまな形での周辺地域との関係が生まれてきた。以下に、そのような関係が出入・訴訟の形で表面化した例を示し、その性格を考えてみよう。