目次
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第一編
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第六章 近代
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第二節 明治後期の港区
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(三) 近代商業の発展
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(3) 区内の卸売市場
金杉魚市場
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前身は、江戸時代に遡るが、明治五年五月の創立。市場は浜松町一丁目八番地に置かれ、内湾の雑魚の売買を主とした。本芝魚市場とは別に会所を設け頭取がおかれたが、のち廃止された。
これら本区地域の魚市場は市場としての規模は小さく、明治三十年代の魚市場売買金額をみても日本橋魚市場の一%内外に相当するに過ぎない。それは、「只最寄の漁民が消費者に直売するものなれば真正の市場と云ふに足らず」(「日本橋組魚市場景況概略取調書」)という評価にあらわれているような実態であった。