青山市場

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 赤坂区青山にあった本区地域唯一の青物川魚市場。明治三十六年の『新撰東京名所図会』に市場の景況がつぎのように紹介されている。
 
  青山市場は、青山南町四丁目(廿四番地と十一番地に跨がる)及び同六丁目(十二番地)にあり、食品市場と称し、青物川魚の市を開く。問屋二戸、その四丁目にあるを山崎と云ひ、六丁目にあるを藤本といふ。他に仲買商の類はあらず。かく市場は両所に立ちて、各自に営業しつつあるなり。青物は豊多摩郡辺の田家に生ずる蔬菜、菓実の類、川魚は多摩川の産を多とす。香魚の溌刺するもの、まれに当市に上るといふ。
 
 この市場について『赤坂区史』は享保期に青山久保町(青山北町四丁目)に毎月立ったといわれる青物前栽市が移転、継承したとも推定される、との説を出している。