第一次大戦後の恐慌以後、日本は慢性的不況に突入するが、関東大震災の被害が大きく、そのため一時的に復興景気が現出するが、その後インフレ傾向は次第に顕著となり、金融恐慌の導火線となっていくのである。
昭和二年に突発したモラトリアムは、そのまま世界的不況につながって、大不況時代を現出したとはいえ、復興後見事に華麗モダンな近代都市として生まれ変わった東京は、色彩において多彩、音響においてリズミカルな、新しい市民生活の楽しさを味わわせてくれる都会であった。
その基礎となった産業経済上の発展を、区内の各方面からみていこう。