(1) 郡部の発展と市域の拡張

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 芝区、麻布区、赤坂区にみるように、旧市域においては、震災の痛手から回復しても、急速に人口の増加を来たすといったことはなかった。これに対して、一五区に隣接する当時の郡部町村においては、市民が中央から逃げ出して、そのまま定着居住し、復興をまって、逆に市内の職場へ通勤するという現象を濃くしていった。
 ことに、中央線沿線の中野から高円寺あたりへかけての発展には目覚ましいものがあり、これをひきがねにして、郡部町村はいたるところで急激な人口増加をきたしたといってよい。
 そのため、新宿、渋谷、南千住、五反田といったところが、一つの足だまりとして繁栄し、賑やかな町になっていった。