【市内要保護世帯と人口】 昭和六年の要保護者数については表28のとおりであり、その実態を昭和六年に東京市役所がおこなった「東京市要保護世帯生計調査」によると、要保護者は、当時市内一五区に二万一六六六世帯・八万七五九七人をかぞえていた。これを各区別にみると、深川区がいちばん多く五〇六六世帯(市中全要保護世帯の二三・四%)、つぎが本所区(一七・九%)であった。
芝区は二二七四世帯(一〇・五%)で四番目に多く、麻布区は六四三世帯(二・九%)で一一位、赤坂区は一〇七世帯(〇・四九%)で日本橋区についで少なかった。
今市中全要保護者と各区人員の割合をみると芝区は九・六%、麻布区三・二%、赤坂区〇・一二%で、芝区は世帯数に比べて人員が少なく、小家族とくに単独の流入失業者などの多かったことを示している。
表28 市内要保護世帯および人口
区 名 | 要保護 世帯数 | 要保護 世帯人口 | 全市総普通 世帯人口 | 全市総普通世帯 人口ニ対スル要 保護世帯人口ノ 割合 |
芝 区 麻布区 赤坂区 市内15区総計 | 2,274 643 107 21,666 | 8,435 2,826 415 87,597 | 175,361 84,950 55,515 2,054,874 | 4.81% 3.33% 0.75% 4.26% |