(4) 太平洋戦争

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 この事件を契機として、大きく時局は右旋回していった。
 この事件後、一応寺内寿一新陸相による皇道派の一掃が行なわれたとはいえ、軍部大臣現役武官制の復活など、次第に軍部の政治への進出が行なわれることとなった。
 そうして、十二年七月の芦溝橋での日中両軍の衝突から中国大陸への戦線拡大と日中戦争は苛烈に赴き、十三年四月には、国家総動員法が公布され、国をあげて戦時体制への移行が行なわれた。十五年九月の日独伊三国同盟の締結から、さらには国内における十五年十月の大政翼賛会の組織へと発展していった。
 十六年十月の東条内閣の成立は、ついに日本の対米英開戦を決定する方向に進み、十六年十二月八日のハワイ真珠湾攻撃によって、米英に宣戦を布告するに至るのである。