それにたいして、女は一五歳~一九歳では、二二・六%と、男と同じ程度であるが、二〇歳~二四歳では、六六・六%ともっとも高い労働力率を示し、二五歳~二九歳では、四三・五%に低下し、四五歳~四九歳で六二・二%と女では二番目に高い労働力を示し、五五歳~五九歳まででは、五〇%以上といった値を示している。
これは、男が家計の担い手として常時経済活動に従事しているのにたいし、女は二五歳~三四歳の年齢時には、結婚、出産などのため一時経済活動から離れ、その後、育児から解放されると再び経済活動に従事するということが示されていることになる。
しかし、労働人口の伸びが、近年一五歳以上の人口のそれを下回ったため、男の労働力率は昭和四十五年の八四・三%から八三・四%に、女は五〇・九%から四六・〇%にそれぞれ低下した。これは一五歳~二四歳の若年層における進学率の上昇等が影響しているとみるべきであろう。
諸外国と比較しても、この進学率の上昇傾向が若年層の労働力率において差をつくりだしていることが分かる。これを除けば、一般的にほとんどの年齢階級でわが国の労働力率は高く、とくに六五歳以上の老年層では、欧米諸国よりはるかに高くなっている。
表10 年齢別労働力率の国際比較 (単位:%)
年 齢 | 日 本 (1970) (1975) | アメリカ合衆国 (1970) | |||||||
総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | |
15歳以上人口総数 15~19歳 20~24 25~29 30~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65歳以上 | 67.1 36.1 77.2 71.5 77.1 79.9 77.2 72.4 63.3 34.9 | 84.3 36.5 83.5 98.2 98.4 98.1 97.3 94.2 85.8 54.4 | 50.9 35.7 70.8 45.1 55.7 64.6 60.9 53.7 43.3 19.6 | 64.2 22.8 72.8 70.9 75.0 80.1 76.3 70.3 59.8 30.2 | 83.4 23.0 79.0 97.7 98.7 98.2 97.5 94.9 85.4 49.5 | 46.0 22.6 66.6 43.5 51.3 62.2 58.6 50.7 38.9 15.5 | 56.8 34.8 68.0 68.7 71.0 72.5 71.0 66.2 53.4 16.2 | 74.7 40.3 80.9 92.9 94.9 93.5 91.4 86.8 73.0 24.8 | 40.5 29.2 56.1 45.4 48.3 53.0 52.0 47.4 36.1 10.0 |
年 齢 | スウェーデン (1970) | フランス (1968) | ドイツ連邦共和国 (1970) | ||||||
総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | |
15歳以上人口総数 15~19歳 20~24 25~29 30~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65歳以上 | 53.2 31.1 57.7 67.7 71.4 74.0 71.1 64.6 50.1 8.6 | 69.4 32.9 62.0 85.0 92.3 92.9 91.9 88.4 75.7 15.2 | 37.3 29.3 53.3 49.0 49.8 55.0 50.3 41.1 25.7 3.2 | 54.5 37.1 72.7 73.7 70.1 70.2 67.7 61.5 48.0 12.4 | 74.3 42.8 82.6 95.1 97.0 95.5 91.4 82.5 65.7 19.3 | 36.2 31.3 62.3 50.7 42.4 45.5 45.3 42.3 32.4 8.2 | 57.1 65.7 77.2 73.5 72.9 68.8 64.2 56.8 39.7 9.8 | 78.8 66.9 86.8 94.0 98.1 96.2 93.6 87.3 69.4 16.1 | 38.2 64.4 67.1 51.5 46.3 48.4 43.0 34.7 17.8 5.8 |
年 齢 | イギリス (1971) | 韓 国 (1970) | |||||||
総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | ||||
15歳以上人口総数 15~19歳 20~24 25~29 30~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65歳以上 | 61.0 58.3 75.1 70.2 75.7 79.5 77.4 72.1 55.3 11.3 | 81.3 60.8 89.9 97.0 98.2 97.9 97.2 95.2 86.5 19.3 | 42.6 55.7 60.1 43.0 53.0 61.5 58.6 50.7 28.0 6.3 | 56.2 43.1 47.2 58.6 68.4 71.4 68.3 61.2 45.5 20.0 | 74.8 45.9 50.3 85.7 96.0 95.2 91.9 85.4 67.9 35.1 | 38.4 40.3 43.9 31.7 41.6 48.5 45.2 39.1 26.9 10.6 |
(注) ILO『労働統計年鑑,1975年版』より作成。
表11 産業(3部門)別就業者の推移(大正9年~昭和50年)
年 次 | 産業別就業者数 (千人) | 産業別割合 (%) | ||||||
総数 1) | 第1次 産 業 | 第2次 産 業 | 第3次 産 業 | 総 数 | 第1次 産 業 | 第2次 産 業 | 第3次 産 業 | |
大正9年 2) 昭和5年 2) 15年 2)3) 25年 4) 30年 35年 5) 40年 45年 50年 | 27,261 29,620 32,483 36,025 39,590 44,070 47,960 52,593 53,141 | 14,672 14,711 14,392 17,478 16,291 14,391 11,846 10,151 7,396 | 5,598 6,002 8,443 7,838 9,249 12,802 15,456 17,897 18,118 | 6,464 8,836 9,429 10,671 14,051 16,862 20,640 24,505 27,456 | 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 | 53.8 49.7 44.3 48.5 41.1 32.7 24.7 19.3 13.9 | 20.5 20.3 26.0 21.8 23.4 29.0 32.2 34.0 34.1 | 23.7 29.8 29.0 29.6 35.5 38.3 43.0 46.6 51.7 |
(注) 昭和48年以前は45年産業分類に組み替えた数字
1)「分類不能」の産業を含む。 2)全年齢の有業者数 3)外国人を除く。
4)14歳以上の就業者数 5)10%抽出集計結果による。
表12 産業(大分類)別就業者数と増加(昭和50年) (△は減少)
産 業 | 昭和50年就業者数 (千人) | 昭和45年 1)~50年の 増加数(千人) | 昭和45年 1)~50年の 増加率(%) | ||||||
総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | 総数 | 男 | 女 | |
総 数 2) 第1次産業 農 業 林業,狩猟業 漁業,水産養 殖 業 第2次産業 鉱 業 建 設 業 製 造 業 第3次産業 卸売業,小売業 金融・保険業 不動産業 運輸・通信業 電気・ガス・水 道・熱供給業 サービス業 公 務 | 53,141 7,396 6,718 198 480 18,118 136 4,750 13,231 27,456 11,293 1,420 370 3,371 319 8,730 1,954 | 33,479 3,780 3,230 160 389 13,064 120 4,195 8,749 16,599 6,295 738 244 2,975 281 4,492 1,573 | 19,661 3,616 3,487 38 91 5,054 16 555 4,483 10,858 4,998 682 126 395 38 4,238 381 | 548 △2,757 △2,690 △ 8 △ 59 221 △ 80 786 △ 485 2,953 1,157 291 96 135 28 1,034 212 | 1,496 △1,000 △ 959 △ 7 △ 34 547 △ 72 665 △ 46 1,934 787 138 59 146 25 613 167 | △ 948 △1,757 △1,731 △ 1 △ 25 △ 326 △ 8 121 △ 440 1,018 370 153 37 △ 11 4 420 46 | 1.0 △27.2 △28.6 △3.9 △11.0 1.2 △37.0 19.8 △3.5 12.1 11.4 25.8 34.9 4.2 9.8 13.4 12.2 | 4.7 △20.9 △22.9 △4.4 △8.0 4.4 △37.5 18.8 △0.5 13.2 14.3 22.9 31.9 5.2 9.7 15.8 11.9 | △4.6 △32.7 △33.2 △1.7 △21.9 △6.1 △32.7 27.9 △8.9 10.4 8.0 29.0 41.0 △2.7 10.5 11.0 13.6 |
(注) 1)昭和50年産業分類に組み替えた数字 2)「分類不能」の産業を含む。
【全国の就業構造】 さて、就業構造であるが、昭和五十年のわが国のそれは五、三一四万人が就業者総数であり、それを産業部門別にみると、農林漁業の第一次産業に七四〇万人、鉱業、建設業、製造業の第二次産業に一、八一二万人、商業、運輸、サービス、公務などの第三次産業に、二、七四六万人が従事しており、その比率は一三・九%、三四・一%、五一・七%の順となっている。
これを、大正九年当時の三者の比率、五三・八%、二〇・五%、二三・七%に比べると分かるように第一次と第三次の順位がまさに逆転をしたわけである。
そのなかで、第二次産業が昭和三十年の二三・四%から四十五年の三四・一%まで増大したのが、五十年には三四・一%と横ばいになったのにたいして、第三次産業は昭和三十年の三五・五%から急速に上昇し、四十五年に四六・六%、五十年には五一・七%と五〇%の大台を越すまでに至っているのである。
【港区の就業構造】 当区は、従来から第三次産業の発達した地域であるが、昭和三十年と昭和五十年を比較してみると、この状態はより進み、第一次産業は〇・二九から〇・一四%に、第二次産業は二九・二九から二一・二九%へと、それぞれ減少した。
これにたいし、第三次産業は七〇・四三から七八・五七%と実に全就業者数の八割近くを占めるに至ったのである。
この第三次産業就業者の内訳は、卸・小売業が三〇・〇二から三四・五四%と大きく増加し、次いでサービス業が二三・一〇から二四・九六%となり、また、数では小さいが、不動産業は〇・五六から三・〇二%へと五倍以上の増加で、注目すべきことである。
以上のことは、都の区部の区域についても港区ほどではないがほぼ同様にいえることである。
表13 港区と東京都区部の産業分類別年度別(昭和30年・昭和50年)
15歳以上就業者比較
産業分類 | 港 区 | 東 京 都 区 部 | ||||||||
就業者数 | 就業者割合 | 就業者数 | 就業者割合 | |||||||
昭和30年 | 昭和50年 | 昭和30年 | 昭和50年 | 昭和30年 | 昭和50年 | 昭和30年 | 昭和50年 | |||
総 数 | 115,612 | 112,393 | % 100.00 | % 100.00 | 2,930,757 | 4,312,738 | % 100.00 | % 100.00 | ||
第 一 次 産 業 | 1農 業 2林業・狩猟業 3漁業・水産養殖業 | 149 15 174 | 92 12 58 | 0.13 0.01 0.15 | 0.08 0.01 0.05 | 41,389 646 7,525 | 12,994 636 1,989 | 1.41 0.02 0.26 | 0,30 0.01 0.05 | |
小計 | 338 | 162 | 0.29 | 0.14 | 49,560 | 15,619 | 1.69 | 0.36 | ||
第 二 次 産 業 | 4鉱 業 5建 設 業 6製 造 業 | 259 6,000 27,604 | 33 5,224 18,667 | 0.22 5.19 23.88 | 0.03 4.65 16.61 | 6,204 161,494 973,551 | 2,040 342,945 1,125,918 | 0.21 5.51 33.22 | 0.05 7.95 26.11 | |
小計 | 33,863 | 23,924 | 29.29 | 21.29 | 1,141,249 | 1,470,903 | 38.94 | 34.11 | ||
第 三 次 産 業 | 7卸・小売業 8金融・保険業 9不動産業 10運輸・通信業 11電気・ガス・水道・ 熱供給業 12サービス業 13公 務 14分類不能の産業 | 34,708 4,330 642 7,513 618 26,703 6,880 17 | 38,822 4,046 3,391 7,153 348 28,055 5,600 892 | 30.02 3.75 0.56 6.50 0.53 23.10 5.95 0.01 | 34.54 3.60 3.02 6.37 0.31 24.96 4.98 0.79 | 743,934 101,406 13,397 170,321 20,987 545,273 144,109 521 | 1,273,045 173,302 76,319 268,978 19,382 857,206 133,209 24,775 | 25.38 3.46 0.46 5.81 0.72 18.60 4.92 0.02 | 29.52 4.02 1.77 6.23 0.45 19.88 3.09 0.57 | |
小計 | 81,411 | 88,307 | 70.42 | 78.57 | 1,739,948 | 2,826,216 | 59.37 | 65.53 |
(注) 各年の国勢調査結果より作成。