港区在住の外国人は、すでにふれてきたように、歴史的にみて安政通商条約締結以来、外国公館の開設が顕著であったこと、都心で高級住宅地があることなどもあって、東京二三区だけでなく、全国的に見ても欧米系を中心としたその居住者数においてトップクラスである。
【港区の外国人】　そのため、外国人登録数も必然的に多い数値を示してきている。
　国勢調査によると、昭和二十五年の港区内に居住する外国人の数は一、八八九人であったが、昭和三十年には三、三二〇人であり、昭和五十三年には七、五七一人と急増していることが分かる。
　国勢調査による数と外国人登録法(昭和二十七年制定)による数とはつねに違いがあるが、これは人数の把握が日本人の場合よりも格段に難しいからにほかならない。
　これら登録外国人数の増加もさることながら、国籍別には多国籍にわたってきたことも近年の特徴であろう。
　まず、東京都二三区別にみた昭和五十三年の登録人口数では、東京都全体では総数が一一万〇、四一七人であり、そのうち区部には九万二、九九七人が住んでいる。
　これは、全体の八四%を示していることになるし、そのなかでも足立区が第一位で、七、九三六人であり、次いで、港区が七、五七一人で第二位を占めるに至っている。
　昭和三十二年末には、港区は大田区、荒川区、足立区に次いで第四位であったことからみると、大きな伸び率といわねばならないだろう。
　この時の港区をしのいだ他の三区は、同胞とされていた韓国、朝鮮の国籍が多いことから、欧米諸国となると港区が第一番目となる。
　次いで、一〇位までを掲げてみると足立区の七、九三六人、港区の七、五七一人、世田谷区の六、〇四八人、荒川区の五、九七〇人、大田区の五、九二一人、新宿区の五、五二九人、渋谷区の五、二七八人、杉並区の四、一一七人、葛飾区の三、八二〇人、品川区の三、七二八人と続いている。
　韓国、朝鮮の国籍が多い区としては、足立区の七、六一五人、荒川区の五、七九二人、大田区の四、三六七人であり、他の区から比較するととびぬけて多い区である。
【国籍別外国人】　足立区については、全登録外国人にたいして約九六%がこの二国籍であり、港区の二四%と比較してもきわめて高いことが分かる。
　さて、国籍別にみると、昭和三十二年までは、四四ヵ国の人間が港区に居住し、次いで、目黒区の三六ヵ国、千代田区・新宿区の三五ヵ国で、他はみんなそれ以下であり、港区は国籍数においてつねに首位を占めてきていたが、昭和五十三年では、千代田区の八五ヵ国、新宿区の八〇ヵ国、渋谷区の七七ヵ国に次いで港区は七五ヵ国の第四位となってきている。
　最下位は墨田区の一九ヵ国となっており、総数でも墨田区は中央区の四五〇人に次いで六九二人で下位から二番目の区である。
　これからみると、国籍数において首位の座を譲ったとはいえ、港区は大都市東京の国際化とともに、ますます国際化していく方向にあるといえよう。