東京都区域整理委員会の設置

798 ~ 798 / 1465ページ
 安井誠一郎都長官は、二十一年七月二十九日、区域の整理統合を審議するために、諮問機関として「東京都区域整理委員会」を設置した。これは都長官を委員長とし、都会議員、区会議員、都および関係官庁官吏、学識経験者計五八名をもって構成された。ここには、芝区会から徳安実蔵議員、赤坂区会から磯野八郎兵衛議員、麻布区会から藤野衛議員(三五区議長会会長)が、委員として加わっている。
【東京都区域整理委員会への諮問】 都は、同委員会に一区人口二〇万人前後、面積一〇平方キロメートルを基準として、三五区を二二区に整理統合する案を諮問した。具体的には、世田谷、目黒、渋谷、中野、杉並、豊島、荒川、板橋、足立、葛飾、江戸川の一一区を従来どおり存続させ、残る二四区を、以下のように一一区に統合するものであった。すなわち、<麹町区・神田区><日本橋区・京橋区><芝区・麻布区・赤坂区><四谷区・牛込区・淀橋区><小石川区・本郷区><下谷区・浅草区><本所区・向島区><深川区・城東区><品川区・荏原区><大森区・蒲田区><滝野川区・王子区>がそれである。
 都が区域整理委員会に諮問した右の二二区案とは別に、都建築局は一二区案を、また、東京市政調査会は二五区案を作成し世に問うた。旧三区との関係のもとにこれらをみると、前者案では、芝区と麹町区、神田区、日本橋区、京橋区との統合ならびに赤坂区、麻布区と渋谷区との統合が構想されていた。また、後者の二五区案では芝区と麻布区、赤坂区と渋谷区の統合となっていた。