内務省は、二十二年一月二十二日、GHQの意向を受けて、昭和十五年に制定した「部落会・町内会整備要項」を廃止した。こうして、従来の町内会は三月末で姿を消し、新たに区役所連絡事務所が数町会単位で、従前の町会事務所を利用して設置された。
しかし、同年五月三日、政令一五号により町内会・部落会および連絡会等に関する解散、就職禁止などが公布・施行された。これにより、連絡事務所もまた五月末日をもって廃止された。港区においては、連絡事務所を区役所出張所とする「港区訓令甲第七号」が五月三十日に公布され、六月一日に施行された。
【区内に一二出張所開設】 こうして、六月一日より芝地区に新橋、愛宕、竹芝、三田、田町、高輪、三光の七出張所、麻布地区に飯倉、霞町、本村の三出張所、赤坂地区に赤坂、青山の二出張所の計一二の区役所出張所が開設された。芝地区の七つの出張所は本庁総務課に属し、麻布・赤坂地区の五つの出張所は、それぞれの支所の庶務課に属した。
これら出張所は、区役所の末端行政機構として、当初、食糧配給登録事務を中心とする窓口事務を担ったが、後に二十七年七月から住民登録事務をも担った。