【食糧対策も重要課題に】 この期の区政にとって、食糧対策は、教育対策とならぶ重要な課題であった。
区議会は、食糧の安定確保のために、昭和二十三年、食糧対策特別委員会を設置し、活発な活動を展開した。議会がなによりも問題としてとりあげたのは、食糧配給登録事務を担当する出張所職員の勤務態度であった。区議会は、事例を挙げて職員の応接態度の改善を区長に求めた。
これに加えて、この期の議会は、理事者に配給所の増設、配給業者の指導強化、食生活の合理化と指導、家庭菜園のための土地斡旋、種苗・農具の斡旋などを行なうよう要請した。これに対し区は配給業者の指導に努め、食糧配給の公正を期したが、しかし、それは食糧確保の抜本的な解決策とはならなかった。むしろ、区理事者そして議会は、都および関係当局への陳情・交渉に食糧対策の活路を求めた。
なお、食糧対策とならんで区議会と理事者は医薬品その他衛生物資の確保についても、各方面に積極的な働きかけを行なった。昭和二十三年二月二十七日には、区議会は当時高輪地区に一ヵ所しかなかった医薬品等の配給所の増設を安井都知事に陳情している。