広報紙の発行

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【区政民主化に先鞭をつけた広報紙】 区政の民主化は、区民の意向をくんだ行政を基礎とする。「自治区」となった区行政を特徴づけているのは、なによりも広報紙の発行であった。
 戦後、GHQは各地方自治体に、パブリック・リレーションズ(PR)の実施を指導した。こうした指導とも相まって、港区では、二十二年十月十一日に、「港区政ニュース」と題した区広報紙を発刊した。東京都が、「都のおしらせ」と題する広報紙を発刊したのが二十三年十月であり、他区の区報の多くも二十三年中の発刊であることをみると港区広報紙の発行がかなり早かったことがわかる。
 「港区政ニュース」第一号は、決して良質といえないワラ半紙に、ガリ版刷りで一、二〇〇部発行された。紙面は、区議会の動き、使用料・手数料の改訂の知らせ、配給予定日と品目などから成っていた。以降、二十三年八月まで、毎月二回(十一日と二十一日)発行され、区設掲示板にはられたほか、関係官公署、区議会議員、各種行政委員、区立小・中学校に配布された。
 さらに、翌二十三年九月の第二一号から活版刷りとなり、発行部数も一万二、〇〇〇部となった。そして、全戸配布をめざして、小・中学校生徒に配布して各家庭に持ち帰ってもらう方法が採られた。

上 『港区政ニュース』第1号・下 同21号(活版刷り初号)