【区行政の中心となった教育行政】 この期においても、区行政の中心は、教育行政にあった。ただ、その内容には当然変化がみられる。この期の教育行政の中心は、中学校の建設、小学校の校庭舗装・水洗便所化など、施設内容の改善におかれた。ちなみに、二十三年に始まる区立中学校の校舎建設は、この期に急速に進み他校併設の状態は三十四年にすべて解消した。もちろん、終戦直後に建てられた小学校校舎が十分な収容能力を有していたわけではなく、増築も逐次進められていった。
教育行政に関する議会の主な活動としては、議員が理事者と一体となって、中学校用地の確保のために区内に散在する国有地の払い下げを政府に要望したこと、三十年ごろから増加した小学校体育館併設の請願を採択し、その実現を理事者に求めたことなどが挙げられる。このような小・中学校施設の拡充と並んで、この時期区議会は、学校警備員、給食補助員への越冬資金の給付を区に求めるとともに、学校警備員の身分保障を、都知事、都教育委員会に要請し、その待遇改善に努めた。前者の越冬資金については、区の財政措置によって実現した。