(1) 保守合同後の総選挙

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 表8は、保守合同後初の衆議院議員総選挙である三十三年(一九五八)五月の総選挙から、四十七年十二月の総選挙まで、六回の選挙における港区民の投票動向を示したものである。
【自民、社会両党の退潮目立つ】 これにみられるように自民党、社会党ともに、港区内での得票率は低下している。保守合同後区内から五一・九%の得票を挙げた自民党は、四十四年以降、三〇%台に落ちこんだ。だが、自民党にも増して社会党の得票の低下は著しく、三十三年に四〇・六%であった得票率は、四十七年には一四・〇%となっている。
 

表8 衆議院総選挙における政党別得票

 年月
政党 
33.535.1138.1142.144.1247.12
自民党52,063
(51.9)
39,132
(44.8)
33,891
(41.6)
37,015
(40.7)
34,224
(37.5)
34,260
(35.8)
306,101
(53.6)
228,985
 (45.3)
217,261
 (43.7)
116,678
 (40.9)
104,120
 (37.4)
97,590
(33.5)
社会党40,694
(40.6)
33,858
(38.7)
25,496
(31.3)
19,742
(21.7)
13,090
(14.3)
13,395
(14.0)
223,430
 (39.1)
192,625
(38.1)
145,095
 (29.2)
61,914
(21.7)
39,090
(14.0)
49,310
(16.9)
公明党14,647
(16.0)
14,701
(15.4)
46,625
(16.4)
45,695
(15,7)
民社党9,861
(11.3)
14,675
(18.0)
20,380
(22.4)
16,259
(17.8)
14,003
(14.6)
55,655
(11.0)
83,192
(16.7)
69,918
(21.4)
47,006
(16.9)
39,029
(13.4)
共産党4,863
(4,9)
2,848
(3.3)
5,940
(7.3)
9,522
(10.5)
12,188
(13.1)
18,984
(19.8)
30,087
(5.3)
19,795
 (3.9)
41,670
 (8.4)
3,2908
(11.5)
39,493
(14.2)
58,907
(20.2)

(注) 1 無所属・諸派の得票は表示しなかった。
   2 東京第1区は,42年の選挙から千代田,港,中央の3区から構成されることと
    なった。定員も3名に改められた。
   3 点線上段は港区内における得票数,下段は東京1区における得票数,( )内は
    得票率%を示す。


 
 これに対し、社会党から分離した民社党は、三十五年に一一・三%の得票を挙げ、その後若干の増減はあるものの港区内から安定した得票を挙げている。また、四十四年の総選挙から東京一区に登場した公明党は、港区内で一六・〇%、一五・六%の得票率を示し、それなりの安定的状況にある。このようななかで、伸長著しいのは共産党である。三十三年にわずか四・九%の得票であったのが、四十七年には、一九・八%の得票をあげ、野党間では最も高率となった。
 ところで、以上の港区における政党別得票傾向は、東京一区全体の傾向とほぼ一致している。ただ、わずかではあるが、共産党が一区全体の得票を下回るのに対し、民社党は逆に絶えず港区内から一区全体の得票率を上回るそれを挙げている。