三十七年に、都と区の事務配分関係について二つの答申が出された。一つは、三十七年十月の第八次地方制度調査会の「首都制度当面の改革に関する答申」であり、他は同年三月に出た都制調査会の「首都制度に関する答申」である。
【都事務の大幅移譲・区長公選復活の提案】 前者は、都の事務を大幅に特別区に移譲し、都は、総合企画、大規模建設事業、特別区と市町村の調整に事務を限定するべきこと、区長の公選については、今後の動向をみて結論を下すことが望ましいとした。一方、後者の答申は、区への大幅な事務移譲に加えて、区長公選の復活を提案した。