支所

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【権限を縮小された支所】 右の機構改革にともない麻布・赤坂・高輪の三支所は、区民部に属する三級廨(かい)に縮小され、その権限の多くが本庁に移管された。支所は、庶務、税務、戸籍、住民登録、厚生の五係から構成され、その分掌事務は、戸籍、住民登録、税、国保、年金の窓口事務の一部となり、実質的に、三十三年に廃止された出張所と同程度となった。
 支所機構の改革目的は、本庁と支所との二元的機構の弊害を除去することにあった。しかし支所長は、区民部長の指揮をうけるが、支所の分掌事務の多くは、総務部、厚生部に属しており、それについては二部長の命を受けることとなる。このため、本庁と支所との権限調整にかずかずの問題が生じた。
 また、この改革の結果、これまで高輪支所で一応用のたりていた芝浦地区住民は、高輪支所と本庁の双方へ足を運ぶ機会が増えた。前述のように、区議会は三十三年の出張所廃止に際し、将来、芝浦地区に支所を設けるよう要請している。だが、四十年の改革後、区議会は改めてこの問題を取り上げ、四十四年の第一回定例会において、芝浦港南支所設置を急ぐよう理事者に求めた。この声を受けて、企画室は四十四年十一月、「芝浦地区窓口設置調査報告書」を作成した。その後、理事者は、この報告書を一つの素材として、庁舎の構想、用地の選定などにあたってきたが、芝浦港南支所は、五十五年一月竣工を目途に港区スポーツセンターに隣接して建設されることになった。