小零細企業公害防止融資制度

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 工場を発生源とする近隣騒音もまた、四十年代後半から区政の重要問題となった。とくに、芝地区の中小零細企業の工場騒音には、周辺住民の間から改善の声が強くあがった。このようななかで四十四年七月、都は公害防止条例を制定し工場の騒音、ばい煙、排水などについて多面的な規制と工場自らによる改善を義務づけた。しかし、自力で改善できる大規模企業はともあれ、区内の小零細企業には、厳しい規制措置と受けとられた。
【港区中小企業融資基金を増額】 このため、自民・公明・社会の三党は、区議会において区長に対し小零細企業の設備改善融資や税制上の優遇措置を実施するように求めた。区は、後者の要請については、法制度上の理由から難色を示したが、前者については、三十九年に始まる「港区中小企業融資基金」の増額と弾力的運営によって応えていきたいとした。
 その後、四十六年に区は、この基金とは別に、公害防止融資制度を発足させ、小零細企業の公害防止を側面から援助することにした。