準公選運動と港区

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 地方自治法改正法案は、四十八年四月に国会に提出されながらも、九月に廃案となった。この間に、品川区に続き大田区でも準公選条例にもとづく区長候補者決定の住民投票が行なわれ、さらに、十月には、練馬区でも同様の住民投票が実施された。
 港区議会は、地方自治法改正法案が廃案となった後の四十八年十月、「特別区制度改革に関する法律案早期議決方に関する要望書」を議決し、政府・国会に送付した。
【「港区民が区長を選ぶ会」】 このような区議会の動きとは別に、四十九年二月二十二日、「港区民が区長を選ぶ会」(代表・森下文一郎)が発足し、港区でも準公選条例制定の直接請求運動が始まった。同会は、四月十五日に区長に、「東京都港区長候補者決定に関する条例」制定の直接請求を提出した。区長は、四月三十日に、区議会臨時会を招集し、条例案を上程した。
 しかし、この条例案の審議途中の四十九年五月、再び国会に上程されていた地方自治法改正案が、ついに可決成立をみた。こうして、ようやく区長公選制をはじめとする特別区自治権の拡充が法制度上認められ、五十年四月一日から施行されることになった。