食肉消費市場としての拡大傾向は、どの都市においてもみることができるが、大都市東京の食肉市場もやはりこれに相応して発達をみてきた。そのことは、昭和二十二年を原点とした場合、三万一、三七八頭であったものが、昭和五十二年実績では四〇万一、三〇一頭で三〇年間で約一三倍に増加していることからも指摘できる。
しかし、潜在的にはこれ以上であり、一次加工食肉として輸入の割合が増加しているため、著しい増加ぶりがここで指摘できないのが残念である。なお、緬羊、山羊については、昭和五十年から同市場では扱わなくなったが、都民によるそれらの直接消費や食肉加工などがなくなったわけではなく、その数量もいぜんとして相当数にのぼるとみられる。
都市の台所―芝浦食肉市場の内部